素顔を隠す彼との恋。

だれ?と声がしたほうを見てみると、同じクラスの男子が立っていた。



名雲(なぐも) (しお)くん。



マスクにマッシュヘアの重たい前髪。おかげで顔が全く見えない。

部活には入っていなくて、さらには180cmあるんじゃないかって身長。


ちょっと怖いし関わりづらいんだよなぁ…。


男子とはよく話しているけど、女子と話すところはあまり見たことがない。

私も用があるときにしか話さなかった。



「丸山、大丈夫?」


「あ、うん!すぐ片付けるね……」



名雲くんの邪魔になってる…!


まずは片付けなきゃと思って、私は散らばったものをお弁当箱の中に片付けようとする。


でも、名雲くんが私の手首を掴んで止めた。



「丸山は制服洗ってきて。ここは俺が片付けておくからさ」


「え、申し訳ないからいいよ!名雲くんの手が汚れちゃう…」


「そんなこと気にしなくていーの。ほら、早く行ってきな?」


「…ありがと、すぐ戻るから!」



正直どうすればいいか、わからなくなっていたから

ここは名雲くんのご厚意に甘えて、水道に行くことにした。