「知夏、耳赤いね」



へっ?名前呼び!?



「ふっ、もっと赤くなった」


「う、うるさい!」



指摘されると意識しちゃって、もっと熱くなる。


こうなったら仕返しだー!



「…(しお)くん」


「なーに、知夏?」



私も名前で呼んでみたのに、名雲くんは余裕そう。


なんか悔しい…!



「汐くん汐くん汐くん!」


「ははったくさん名前呼んでもらえて嬉しいわ」


「えっなんでそんな余裕なの!?」



焦る私とは対照に、名雲くんはずっと笑っている。