「だから、結局、好きなんだよね?」
「えっと…」
名雲くんとの思い出を思い返す。
最初は、関わりづらい人だと思ってたんだよね。
でもちゃんと関わってみたら、困ってる人を助ける優しい人だってわかった。
それに、最近気付いたことだけど、名雲くんといると凄くドキドキする…。
教室にいる名雲くんを見つけちゃって、顔が赤くなっていく。
「…うん、好き」
「……そっか。それじゃ、今から告白だー!」
「え、今!?無理だよっ」
「いけるいける!はい、スマホを持って。名雲とのトーク画面開いてくださーい?」
「無理だって!」
花音ちゃんが、私にスマホを持たせる。
好きなのを自覚したばっかなのに無理だよ…!
「早くしようー?」
「やだやだぁ!」
__ブーブー。
「あ、誰かからメッセージ来ちゃったから今は無理!」
タイミング良く来た通知を、ほらって花音ちゃんに見せつける。
「え?知夏、これって……」
花音ちゃんが固まる。
ん?どうしたんだろ…。
「え……」
私もメッセージを見て固まる。
送り主は、名雲くん。
メッセージの内容は、
『放課後、中庭に来てほしい』
