「ねぇ花音ちゃん聞いてー?」


「どうしたのー」


「最近ね、名雲くんがやばいの」


「やばい?」



そう、やばいのだ。

最近の名雲くんは、すっごく心臓に悪い…!

私が何かするたびに可愛いって言うし、あの雨の日からスキンシップが激しくなっていってる気がする…。



「えー!スキンシップって例えば?」


「…頭なでたり、あーんしたり、抱きしめてきたり……」


「あとは?」



これ言うの凄く恥ずかしいな…。



「……キスしてきたり」


「はぁ!?キス!?」



花音ちゃんの言葉にびっくりして、周りにいる人たちがこっちを見た。


声大きいよ…!


花音ちゃんと目を合わせる。



「えーーー!知夏、昨日キスの天ぷら食べたんだ!す、すごーい。珍しいねー…」


「そ、そう!魚の!キスの天ぷら食べたのー。花音ちゃん驚きすぎだよー…」



訝しげにこっちを見ていたみんなも、自分たちのお喋りに戻った。


誤魔化せたみたい…?よかった……。