「止めろ!」 その人は・・・ 「浩輔」 汗だくになっている。 走ってきたのだろうか。 「馬鹿な真似するな。古部先生」 その言葉に微笑む古部。 「あら?元婚約者になんて言いぐさ。私のこと名前で呼んでくれないの」 その声は、妖艶で女独特の声だった。 「雨月、と―」 そんな名前だったんだ。