「先生」 緋那は、いつものようにある人に会うために来た。 「あぁ。荻原クンか」 少しずれていた眼鏡を直す。 「五十嵐先生・・・」 ため息のように言う緋那。 「どうした?元気ないな」 生徒を心配しているだろうか。 しかし、PCに向かったまま答えた。 「約束の時間まで、あともう少しですね」 切なそうに笑う。 その表情に気が付いていないだろう。