その言葉を聞いて笑った。


「確かに婚約者だわ。そーだ。五十嵐先生との馴れ初めを話そうかしら」


何か音が鳴った。


その瞬間に侍女が出てきた。


そして、ティーカップが出てきた。


甘い香り。


「ア、アップルティー?」


このにおいは。


「そう。正解よ」


「では、まず私の母と父についてかしら―」


深刻そうな顔の緋那。


「話したくないなら・・・」


「いいえ。沙羅は私に話してくれた。私も話さないと・・・」


そして、話し始めた。