奴が首謀者であるのかどうか、断定は出来ない。
でも、少なくともこの一件に、何らかの形で関わっているはずだ。
「誰が…一体何の為に、こんなことを…」
「…聞いてみます?事情知っていそうな人に」
「…は?」
唇を噛むルルシーに、俺は笑顔でそう言った。
試しに、ちょっと尋ねてみようじゃないか。
「どうせ今も聞いてるんでしょう?ねぇ…シェルドニア人のなんちゃってガイドさん」
俺は、扉の向こうに向かって…敢えてルティス語で言った。
すると。
「…気づいていたのか」
例の青年が、静かに客室に入ってきた。
…やっぱりな。
「気配は上手く消せてましたよ…。いるかいないかは賭けでした」
でも、多分盗み聞きしてるだろうと思ってたよ。
わざわざ、客室に盗聴器を仕込むくらいだからな。
ルリシヤに盗聴器壊されたもんだから、仕方なく立ち聞きしてやろうと思ったんだろう。
ともかく、こいつがクロなのは確定だな。
やけに『白亜の塔』を勧めてくる訳だよ。
俺達を洗脳したくて堪らなかったんだろうな。
「お前…!お前がルレイアに悪夢を見させたのか…!」
ルルシーが、シェルドニア人の青年を睨み付けた。
親の仇と言わんばかりの剣幕である。
「まぁまぁルルシー、落ち着いてくださいよ」
「落ち着いてなんかいられるか。こいつが首謀者…あるいは、首謀者と関わってるなら、こいつを締め上げれば…」
「えぇ。それも良い手ですけど」
でも多分、この人を締め上げても無駄だと思うんだよな。
俺達はもう罠にかかってるんだから。
船を降りない限り、身の安全は望めない。
「とりあえず彼から話を聞きましょうよ。あなた、ルティス語は話せますね?」
「…あぁ」
「俺達三人に、八つ当たりで嬲り殺されたくなかったら…正直に話してください」
「あぁ。そのつもりだ」
こうして。
俺はようやく、このシェルドニア人の正体を知ることになる。
でも、少なくともこの一件に、何らかの形で関わっているはずだ。
「誰が…一体何の為に、こんなことを…」
「…聞いてみます?事情知っていそうな人に」
「…は?」
唇を噛むルルシーに、俺は笑顔でそう言った。
試しに、ちょっと尋ねてみようじゃないか。
「どうせ今も聞いてるんでしょう?ねぇ…シェルドニア人のなんちゃってガイドさん」
俺は、扉の向こうに向かって…敢えてルティス語で言った。
すると。
「…気づいていたのか」
例の青年が、静かに客室に入ってきた。
…やっぱりな。
「気配は上手く消せてましたよ…。いるかいないかは賭けでした」
でも、多分盗み聞きしてるだろうと思ってたよ。
わざわざ、客室に盗聴器を仕込むくらいだからな。
ルリシヤに盗聴器壊されたもんだから、仕方なく立ち聞きしてやろうと思ったんだろう。
ともかく、こいつがクロなのは確定だな。
やけに『白亜の塔』を勧めてくる訳だよ。
俺達を洗脳したくて堪らなかったんだろうな。
「お前…!お前がルレイアに悪夢を見させたのか…!」
ルルシーが、シェルドニア人の青年を睨み付けた。
親の仇と言わんばかりの剣幕である。
「まぁまぁルルシー、落ち着いてくださいよ」
「落ち着いてなんかいられるか。こいつが首謀者…あるいは、首謀者と関わってるなら、こいつを締め上げれば…」
「えぇ。それも良い手ですけど」
でも多分、この人を締め上げても無駄だと思うんだよな。
俺達はもう罠にかかってるんだから。
船を降りない限り、身の安全は望めない。
「とりあえず彼から話を聞きましょうよ。あなた、ルティス語は話せますね?」
「…あぁ」
「俺達三人に、八つ当たりで嬲り殺されたくなかったら…正直に話してください」
「あぁ。そのつもりだ」
こうして。
俺はようやく、このシェルドニア人の正体を知ることになる。


