「誰か思い当たる人、いるか?」
「むしろ、い過ぎて分からないですね」
「お前は数百人単位の女に恨まれてるだろうからな」
失敬な。
「誤解ですよルルシー。女の子達は、皆ちゃんと洗脳して、ちゃんと幸せにしてあげてますよ」
「…」
「そうだな。ルレイア先輩のハーレム会員が仕組んだ、とは考えにくい」
大体、こんな大それたことが出来る人間なんて、限られるだろう。
考えられるとすれば…。
「…ルレイア、そもそも今回の旅は…確か、オルタンスがチケットを送ってきた、と言ってたな?」
「…えぇ」
忘れるなかれ。
この旅行を俺達にプレゼントしたのは、オルタンスなのだ。
オルタンスが、クリスマスプレゼントと称して送ってきた。
それは、つまり。
「…あいつなら、こんな大がかりな罠を仕掛けることも出来るんじゃないか?」
「…一応、あいつは帝国騎士団のトップですからね」
この恐ろしい船を用意し、かつ俺達を罠に嵌めることも…あいつなら、出来ない訳じゃない。
それだけの実力と、財力と、権利がある。
「オルタンス…。あいつ、何を考えてるんだ…!こんなことをして…!」
「そう怒らないでくださいよ、ルルシー。オルタンスが犯人と決まった訳じゃないですよ」
「決まった訳じゃないって…。でも、オルタンスが俺達にプレゼントした旅行だろう、これは」
うん。旅行のきっかけになったのは確かにオルタンス…なのだけど。
「直接チケットを手渡された訳じゃない。誰かがオルタンスの名を騙って、送りつけてきた可能性もあります」
「…それは…」
まんまとそれに引っ掛かってしまったと思うと、癪だけどな。
「…それに、オルタンスがこんなことをするとは思えないんですよねー」
こちらも、認めるのは癪だがな。
「…俺も、そう思う」
と、ルルシー。
良くも悪くも、あの男は今俺達の脅威にはなり得ない…と、思う。
俺達は今、帝国騎士団と対立する理由もないし。
それに、俺達をこんな罠に嵌めることは、オルタンスはともかく、アドルファス辺りが反対するはずだ。
『青薔薇連合会』の幹部三人にこんなことをすれば、後に『青薔薇連合会』にどんな報復をされるか、想像出来ない奴らではない。
帝国騎士団は『青薔薇連合会』に借りもあるし、借りを作っているマフィアに歯向かうなんて、無謀なことをするとは思えない。
あいつらだって、馬鹿じゃないんだからな。
勿論、絶対オルタンスじゃないと言い切れる訳ではない。
俺に冤罪吹っ掛けたときみたいに、アドルファスや他の隊長達には黙って、事を進めている可能性もある。
必要とあれば、どんな非道なことでもやる男だ。
それは、俺が身を以て知っている。
俺達の知らないところで何らかの事情が出来、どうしても俺達を排除しなければならなくなって…こんな罠を張った可能性は、ゼロではない。
とはいえ…それでも、オルタンスが首謀者だとは思えない。
「オルタンスじゃないとすれば…首謀者は誰だ?」
一人だけ。
思い当たる人物がいる。
「むしろ、い過ぎて分からないですね」
「お前は数百人単位の女に恨まれてるだろうからな」
失敬な。
「誤解ですよルルシー。女の子達は、皆ちゃんと洗脳して、ちゃんと幸せにしてあげてますよ」
「…」
「そうだな。ルレイア先輩のハーレム会員が仕組んだ、とは考えにくい」
大体、こんな大それたことが出来る人間なんて、限られるだろう。
考えられるとすれば…。
「…ルレイア、そもそも今回の旅は…確か、オルタンスがチケットを送ってきた、と言ってたな?」
「…えぇ」
忘れるなかれ。
この旅行を俺達にプレゼントしたのは、オルタンスなのだ。
オルタンスが、クリスマスプレゼントと称して送ってきた。
それは、つまり。
「…あいつなら、こんな大がかりな罠を仕掛けることも出来るんじゃないか?」
「…一応、あいつは帝国騎士団のトップですからね」
この恐ろしい船を用意し、かつ俺達を罠に嵌めることも…あいつなら、出来ない訳じゃない。
それだけの実力と、財力と、権利がある。
「オルタンス…。あいつ、何を考えてるんだ…!こんなことをして…!」
「そう怒らないでくださいよ、ルルシー。オルタンスが犯人と決まった訳じゃないですよ」
「決まった訳じゃないって…。でも、オルタンスが俺達にプレゼントした旅行だろう、これは」
うん。旅行のきっかけになったのは確かにオルタンス…なのだけど。
「直接チケットを手渡された訳じゃない。誰かがオルタンスの名を騙って、送りつけてきた可能性もあります」
「…それは…」
まんまとそれに引っ掛かってしまったと思うと、癪だけどな。
「…それに、オルタンスがこんなことをするとは思えないんですよねー」
こちらも、認めるのは癪だがな。
「…俺も、そう思う」
と、ルルシー。
良くも悪くも、あの男は今俺達の脅威にはなり得ない…と、思う。
俺達は今、帝国騎士団と対立する理由もないし。
それに、俺達をこんな罠に嵌めることは、オルタンスはともかく、アドルファス辺りが反対するはずだ。
『青薔薇連合会』の幹部三人にこんなことをすれば、後に『青薔薇連合会』にどんな報復をされるか、想像出来ない奴らではない。
帝国騎士団は『青薔薇連合会』に借りもあるし、借りを作っているマフィアに歯向かうなんて、無謀なことをするとは思えない。
あいつらだって、馬鹿じゃないんだからな。
勿論、絶対オルタンスじゃないと言い切れる訳ではない。
俺に冤罪吹っ掛けたときみたいに、アドルファスや他の隊長達には黙って、事を進めている可能性もある。
必要とあれば、どんな非道なことでもやる男だ。
それは、俺が身を以て知っている。
俺達の知らないところで何らかの事情が出来、どうしても俺達を排除しなければならなくなって…こんな罠を張った可能性は、ゼロではない。
とはいえ…それでも、オルタンスが首謀者だとは思えない。
「オルタンスじゃないとすれば…首謀者は誰だ?」
一人だけ。
思い当たる人物がいる。


