The previous night of the world revolution4~I.D.~

だって。誰が行っても悪夢を見ることになるんだから、ねぇ?

ルルシーに相談したら、ルルシーが行くって言い張るに決まってる。

俺だって悪夢を見ることになると分かってて、ルルシーを行かせたくはないもん。

それとも、三人でくじ引いて決めれば良かったのか?

「お前、今度勝手に危険なことに首突っ込んでみろ。二度と口利いてやらんからな!」

「えぇぇぇ!それは横暴ですよルルシー!大体俺達マフィアなんだから、危険なことに首突っ込まずにはやっていけませんよ!」

「うるせぇ!一人で行くなって言ってるんだ。『白亜の塔』だろうが、戦場のど真ん中だろうが、地獄だろうが、好きなところに行けば良いが、でも一人では行くな!どんな危ない場所でも俺がついていってやるから、一人では行くな。分かったな!?」

「ルルシー…」

あなた…なんてイケメン。

そうですね。ずっと前からそう言ってた。

これは、俺が悪かったな。本当に。

「分かりましたよ…。分かったから口は利いてください」

「…もう一人で危ない場所には行かないな?」

「行きません行きません。約束しますから」

「…よし。…それとルリシヤ!」

「うん?」

キッ、とルリシヤを睨むルルシー。

「お前今、『ルレイア先輩が一人で行けないなら、俺が行けば良いか』とか思ってただろ」

「凄いなルルシー先輩。テレパシーか?」

「ふざけんな。お前なら良いなんて、そんな話じゃねぇよ!」

まぁルリシヤはそういう人だよね。

だが激おこなルルシーは、許してはくれない。

「お前はな、しょっちゅう不法侵入はしでかすし、着実にルレイア二世になりつつあって危機感が半端じゃない上に、無駄なところで優秀な後輩だが!でも、いなくなられたら困るんだよ」

「そうか?」

「当たり前だろ馬鹿。お前は家族なんだから」

「…家族…」

俺も人のことは言えないが、ルリシヤもまた、家族なんて最も縁遠いものの一つだった。

だから家族と言われても、いまいちピンと来ないだろうが…。

「…分かった。悪かったよルルシー先輩」

「よし」

俺もルリシヤも、ちょっと反省だな。これは。