「…この『ホワイト・ドリーム号』が何処かおかしいことは、俺も分かってる。でも…嵌められたと言うのはどういうことだ?誰に嵌められてるんだ?」
誰に…か。
「正直、誰かは分かりません。だから誰に嵌められたのかどうかは、とりあえず脇に置いておきましょう」
「…なら、ルレイアやルリシヤが三日も連続で見た、あの悪夢は何だ?」
「それについては説明出来ます」
忌々しい話ではあるし、どういう原理で悪夢を見させてるのかは分からない。
でも、ある程度の仕組みは分かった。
「この船は、俺達を洗脳する為にあるんです。毎晩悪夢を見させられるのはそのせいです」
「洗脳だと…!?そんなことが…」
有り得ない、と言いかけて、しかしルルシーは口をつぐんだ。
洗脳という手段を現実的に用いることは、俺達にとっては珍しくない。
むしろ、俺はよく使う。
お仕事で女を落とすときは、大抵やってることだ。
少なくとも、どっかの化学兵器馬鹿共よりは、ずっと平和的な手段だ。
しかし、こんな方法ではやらない。
相手に無理矢理悪夢を見させ、精神的に弱らせた上で、洗脳するとは。
精神的に弱ってるところに付け入るのは常套手段だが、その為に相手に悪夢を見させるなんて、正気の沙汰ではない。
そもそも。
「…とりあえず、洗脳されていることは、分かった。でも…相手に強制的に悪夢を見させるなんてことが、可能なのか?」
俺達にとって当然の疑問を、ルルシーが口にした。
「それは難しい質問ですね。俺も有り得ないとは思いますが…でも、事実として俺達は三人揃って、連日悪夢を見ている」
信じられないし、そんな話は有り得ないと思う。
でも、俺達は実際に悪夢を見せられているのだ。
どんな手段を使っているのかは知らん。
どんな手段であったとしても、実際に悪夢を見せられていることが問題なのだ。
「飲食物に薬物でも混ぜられているのかもしれないな」
と、ルリシヤ。
まぁ、それはあるだろうね。
でも、それだけではない。
「考えられる手段としては…恐らく、その最たるものが、『白亜の塔』でしょう」
「『白亜の塔』…って言うと、あのでかい展望台だな?」
「えぇ。でもあれは、展望台なんかじゃない」
展望台…の、ような振りをしてはいるけども。
あの塔の、本当の存在理由。
それは。
「あの塔は…俺達を洗脳する塔です。あそこにいるだけで、俺達は目に見えない音響波を浴びて、その音響波が俺達の悪夢を誘発してるんでしょう」
「…!」
有り得ない話だ、って思ったろう?
事実は、小説より奇なり、ってね。
誰に…か。
「正直、誰かは分かりません。だから誰に嵌められたのかどうかは、とりあえず脇に置いておきましょう」
「…なら、ルレイアやルリシヤが三日も連続で見た、あの悪夢は何だ?」
「それについては説明出来ます」
忌々しい話ではあるし、どういう原理で悪夢を見させてるのかは分からない。
でも、ある程度の仕組みは分かった。
「この船は、俺達を洗脳する為にあるんです。毎晩悪夢を見させられるのはそのせいです」
「洗脳だと…!?そんなことが…」
有り得ない、と言いかけて、しかしルルシーは口をつぐんだ。
洗脳という手段を現実的に用いることは、俺達にとっては珍しくない。
むしろ、俺はよく使う。
お仕事で女を落とすときは、大抵やってることだ。
少なくとも、どっかの化学兵器馬鹿共よりは、ずっと平和的な手段だ。
しかし、こんな方法ではやらない。
相手に無理矢理悪夢を見させ、精神的に弱らせた上で、洗脳するとは。
精神的に弱ってるところに付け入るのは常套手段だが、その為に相手に悪夢を見させるなんて、正気の沙汰ではない。
そもそも。
「…とりあえず、洗脳されていることは、分かった。でも…相手に強制的に悪夢を見させるなんてことが、可能なのか?」
俺達にとって当然の疑問を、ルルシーが口にした。
「それは難しい質問ですね。俺も有り得ないとは思いますが…でも、事実として俺達は三人揃って、連日悪夢を見ている」
信じられないし、そんな話は有り得ないと思う。
でも、俺達は実際に悪夢を見せられているのだ。
どんな手段を使っているのかは知らん。
どんな手段であったとしても、実際に悪夢を見せられていることが問題なのだ。
「飲食物に薬物でも混ぜられているのかもしれないな」
と、ルリシヤ。
まぁ、それはあるだろうね。
でも、それだけではない。
「考えられる手段としては…恐らく、その最たるものが、『白亜の塔』でしょう」
「『白亜の塔』…って言うと、あのでかい展望台だな?」
「えぇ。でもあれは、展望台なんかじゃない」
展望台…の、ような振りをしてはいるけども。
あの塔の、本当の存在理由。
それは。
「あの塔は…俺達を洗脳する塔です。あそこにいるだけで、俺達は目に見えない音響波を浴びて、その音響波が俺達の悪夢を誘発してるんでしょう」
「…!」
有り得ない話だ、って思ったろう?
事実は、小説より奇なり、ってね。


