The previous night of the world revolution4~I.D.~

「んん…。ルルシー…」

「ルレイア、大丈夫か。しっかりしろ」

目を覚まして、心配そうなルルシーの顔を見た途端。

あぁ、もう大丈夫だと思った。

瓦礫の中に生き埋めにされてるときに、救助隊がやって来たら、こんな気分なのかもしれない。

「あぁ…ルルシー。おはようございます…」

「おはようじゃねぇ。まだ夜中だ。ほら、大丈夫か」

「俺…またうなされてました?」

「あぁ。うなされてた」

やっぱり。

だからルルシーが起こしてくれたのだ。

お陰で助かった。あのまま起こされずに朝まで放置されていたら、頭がおかしくなっていたかもしれない。

「そうですか…。覚悟していたとはいえ、やっぱり強烈でしたね」

「覚悟…?どういうことだ」

「…ルルシー…。ルリシヤのところに行きましょう。これで…確信が持てました」

「…?」

俺が恐れていたことが、現実になってしまった。

その、証拠に。

いつの間にか、俺の携帯は、圏外になっていた。

昨日一昨日と、携帯触ってないせいで…全然気がつかなかったけど。

もしかしたら、アイズに連絡を入れた翌日には、もう圏外になっていたのかもしれない。

時既に遅し…というか、この船に乗り込んだ時点で、全てが手遅れだ。

「ルリシヤのところに、って…。どういうことなんだ、ルレイア」

「…この旅行と…それから『ホワイト・ドリーム号』の、本当の存在理由ですよ」

笑えない。

俺は今まで、大抵のピンチはにっこりと笑って、大人の余裕を見せて受け流してきたものだが。

今回ばかりは、さすがに笑えないぞ。