…三人が揃って、二日も連続で悪夢を見るなんて、普通じゃない。
それは言うまでもなく明らかだが。
だからと言って、俺達に何が出来る訳でもなかった。
悪夢を見なくなる方法なんて、知らないしな。
とりあえず夢のことは脇に置いておいて、俺はその日、一日ぶりに三人で船内のレストランに食事に行った。
「俺達がなんか変だと思ったら、船の方も不調ですねぇ」
「船と言うか…お天道様の不調だがな」
今日こそは、延期されていた上陸が出来るはずだったのに。
相変わらず天候が優れないとして、今日も上陸はなし、と。
先程船内放送で言われた。
折角豪華客船の船旅なのに、上陸出来ないんじゃ船の中に閉じ込められてるだけじゃないか。
「二日も連続で海上に待機とは…。運が悪いな…」
「全くですよ」
運が悪い、か。
運が悪い程度の話で済めば良いと思っているのだが。
すると、そこに。
「一昨日ぶりだな」
「…あ」
超思わせ振りなシェルドニア人のなんちゃってガイド青年、あらわる。
こいつ…昨日姿を見なかったと思えば。
俺が客室を出た途端、早速現れやがったぞ。
「どうも。ご無沙汰してますね」
「あぁ…」
「今日も上陸出来なくて残念だな」
「…」
俺が話しかけたら返事するのに。
ルリシヤに対しては、反応が良くないな?
「さすがに船の中で過ごすには、暇になってきましたね。何処かお勧めの場所、ありません?」
「…フィットネスルームで身体を動かしてくるのはどうだ?」
確かに。良いかもね。
身体、鈍ってきてるし。
それは良い考えなのだけど、しかしここで問題が。
「実は俺、今あまり体調が良くなくて。疲れることは避けたいです」
「そうか…。なら…やはり、『白亜の塔』に上ると良い」
「…あなた、やけにあの展望台ばかり勧めてきますね?」
まるであの場所に「何か」があるかのようじゃないか。
「俺はあの場所が、一番のお気に入りだからな…。あそこならいくらでも時間を潰せるし、気分も落ち着く」
「ふぅん…」
そりゃ結構なことで。
「あるいは…甲板のデッキチェアでくつろぐのも良いかもしれない。今日は良い風が吹いているからな」
「そうですか」
甲板…丁度、展望台の真下に位置する場所だ。
「分かりました。考えておきます…。明日こそは、入港出来ると良いですね」
「そうだな」
彼はそう答えて、俺達のテーブルから離れていった。
ふむ、ふむ。成程。成程ね…。
それは言うまでもなく明らかだが。
だからと言って、俺達に何が出来る訳でもなかった。
悪夢を見なくなる方法なんて、知らないしな。
とりあえず夢のことは脇に置いておいて、俺はその日、一日ぶりに三人で船内のレストランに食事に行った。
「俺達がなんか変だと思ったら、船の方も不調ですねぇ」
「船と言うか…お天道様の不調だがな」
今日こそは、延期されていた上陸が出来るはずだったのに。
相変わらず天候が優れないとして、今日も上陸はなし、と。
先程船内放送で言われた。
折角豪華客船の船旅なのに、上陸出来ないんじゃ船の中に閉じ込められてるだけじゃないか。
「二日も連続で海上に待機とは…。運が悪いな…」
「全くですよ」
運が悪い、か。
運が悪い程度の話で済めば良いと思っているのだが。
すると、そこに。
「一昨日ぶりだな」
「…あ」
超思わせ振りなシェルドニア人のなんちゃってガイド青年、あらわる。
こいつ…昨日姿を見なかったと思えば。
俺が客室を出た途端、早速現れやがったぞ。
「どうも。ご無沙汰してますね」
「あぁ…」
「今日も上陸出来なくて残念だな」
「…」
俺が話しかけたら返事するのに。
ルリシヤに対しては、反応が良くないな?
「さすがに船の中で過ごすには、暇になってきましたね。何処かお勧めの場所、ありません?」
「…フィットネスルームで身体を動かしてくるのはどうだ?」
確かに。良いかもね。
身体、鈍ってきてるし。
それは良い考えなのだけど、しかしここで問題が。
「実は俺、今あまり体調が良くなくて。疲れることは避けたいです」
「そうか…。なら…やはり、『白亜の塔』に上ると良い」
「…あなた、やけにあの展望台ばかり勧めてきますね?」
まるであの場所に「何か」があるかのようじゃないか。
「俺はあの場所が、一番のお気に入りだからな…。あそこならいくらでも時間を潰せるし、気分も落ち着く」
「ふぅん…」
そりゃ結構なことで。
「あるいは…甲板のデッキチェアでくつろぐのも良いかもしれない。今日は良い風が吹いているからな」
「そうですか」
甲板…丁度、展望台の真下に位置する場所だ。
「分かりました。考えておきます…。明日こそは、入港出来ると良いですね」
「そうだな」
彼はそう答えて、俺達のテーブルから離れていった。
ふむ、ふむ。成程。成程ね…。


