ルリシヤの部屋を出て、ルレイアのもとに戻ると。

ルレイアは、

「あれ、ルルシー…。ルリシヤは?無事疑惑は解けましたか」

疑惑とは何のことかと一瞬考えたが。

そういえば、ルリシヤはカジノで揉めたことになっていたんだった。

「あぁ。何とか許してもらったよ…」

「それは何よりですね」

にこっ、と微笑むルレイア。

…こいつのことだ。ルリシヤが嘘をついて俺を連れ出したことには、とっくに気づいているのだろうが…。

…今は、余計な心配をさせたくはなかった。

俺はルリシヤと話し合ったことは何も言わず、ルレイアもまた、何も聞かずにいてくれた。