The previous night of the world revolution4~I.D.~

「ま、まぁ元気を出せよルヴィア。男に会いに行ってるんじゃないんだから」

「…そうですけど…」

「そうだ、何なら、今度は三人で出掛けようって誘ってみたらどうだ?」

家族なんだし、三人で出掛けても良いだろう。

しかし。

「そんなの嫌でしょ。目の前で仲良し姉妹がいちゃいちゃしてるのにルヴィアさんなんかがついていったら、ハブられるに決まってます」

ルレイアがずばっとそう言ったせいで、ルヴィアはまたしても捨てられたルヴィアの顔になって、ずーんと落ち込んでしまった。

お、お前な…。そうかもしれないけど、でも言い方ってものがあるだろ。

「これはもう別居不可避ですね。今頃二人は、『あーあ、もうあんな夫がいる家に帰るの嫌だなー』『じゃあうちに一緒に住む?』『やったーそうする』なんてうきうきと話して、もごもごもご」

「よ・け・い・な・こ・と・を言うなと何回言ったら分かるんだお前は!」

追い討ちに追い討ちを重ねるな!

うちの部下を入水させる気か!

「る、ルヴィア大丈夫だ、お前のところの嫁はそんな不義理は…」

「…ルルシーさん…」

「…何?」

ルヴィアは、涙目だった。

「フューニャが家、出ていったら…俺、お義姉さんの家の庭に住みます」

「…ルヴィア落ち着け。犬じゃないんだから」

そこまでして一緒にいたいか。そうか。

お前はそれで良いのか。

「寝床は犬小屋で良いです。食べ物はドッグフードで…」

「ルヴィア、人間に戻ってこい」

「あはは!負け犬~!」

「ルレイアは黙ってろ!」

俺はその後、「フューニャと一緒にいられるなら飼われても良いです、たまに散歩に連れていってもらえたら」と完全にワンコ宣言をしているルヴィアを、必死に宥めたのであった。