The previous night of the world revolution4~I.D.~

とりあえず、水族館に併設されていたレストランにルヴィアを連れていき、三人で一緒に昼食を摂った。

するとルヴィアは、ポツポツと語り始めた。

「最近、しょっちゅうお義姉さんと会ってるみたいなんです。一緒にランチしたり、シェルドニア料理を教わったり…」

「そうか…」

「昨日は、シェルドニアから取り寄せたというミミズペーストのパスタを出されました。美味しかったです」

「…そうか」

お前食べたのか。あのミミズペースト。

食べると意外に美味しいんだよな。

セミはさすがに食べれなかったが。

「他にも、休みの日に一緒に買い物に行ったり、カフェでお喋りしてるみたいで…」

「でしょうね。華弦さん、あれで結構シスコン拗らせてるみたいですし」

魚介の冷製パスタをもぐもぐと食べながら、ルレイアがそう言った。

今更だけど、お前、水族館で魚介類を食べるのはやめろ。

いたたまれない気分になるだろ。

メニューにあるんだから仕方ないけど。

「シスコン…なのか?華弦は…」

「だって雑談の八割が妹の話ですよ、あの人」

予想以上に重症だった。

「妹とお出掛けするのがすご~く楽しいんですって。時間が出来たら、妹と旅行に行きたいんですって。これはもうルヴィアさんが捨てられるのは時間の問題ですね」

「…やめてやれ」

ルヴィアがまた落ち込んでるじゃないか。

余計なことまで言うんじゃない。

しかし、あの華弦がなぁ…。

今まで復讐ばかり考えて、心に余裕がなかったぶん、妹との再会で気持ちが緩んだと言うか…反動が来てるのかもしれない。

で、妹…ルヴィア嫁の方も、まんざらではないんだろうな。

何せ、天涯孤独だと思っていたところに、突如生き別れの姉が現れたのだ。

他の家族が無惨に殺されたのを見ているだけに、姉一人だけでも生き残っていたのが、相当嬉しかったのだろう。

そして、今まで離れ離れになっていたぶんを取り戻すように、二人の時間を楽しんでいるのだろう。

ルヴィアだって、その気持ちは分かっている。

それだけに、自分が置き去りにされるのが寂しくて仕方ないのだ。

…誰も悪くないだけに、ルヴィアが気の毒で気の毒で。