The previous night of the world revolution4~I.D.~


ルヴィアがいること自体は、特に珍しくないと言うか。

嫁と水族館デートする、と言っていたから、まぁ偶然かな、で済ませられる。

しかし。

ルヴィアは、幽霊かと思うほどに青白い陰気な顔で、虚ろな目をしていた。

…成程、ルレイアの言う通り。

間違いなく、これは嫁に捨てられた顔だ。

こいつ今、敵対勢力に襲われたら、間違いなく死ぬぞ。

「ルヴィア、おいルヴィア、大丈夫か」

「…」

「しっかりしろルヴィア。目を覚ませ」

ルヴィアの肩を揺すると、ルヴィアはハッとして、

「あれ…?嫁の声が聞こえる…?」

「落ち着け。それは空耳だ」

俺の声だよ、俺の。

聞こえる声全てが嫁のものだと思ってないか、お前。

ルヴィアのこの惨めな姿…間違いない。

「あなた、まぁた嫁に捨てられたんですか?あはは。惨めですね~!」

「こらっ、ルレイア!指差して笑うな!」

見てみろ。ルヴィアが、ずーんと落ち込んでしまってる。

「…俺なんて、あのイワシの群れの一匹ほどの価値もないんです。イワシはイワシらしく…一緒に泳いできます」

「落ち着けルヴィア。何水槽に入ろうとしてるんだ」

と言うか入れないだろう。何処に行こうとしてるんだ。

「お前、何でここにいるんだ?一人なんだよ…な?」

「…はい」

だよね。

すると、またルレイアが余計なことを言った。

「それはお気の毒ですねぇ。俺は嫁のルルシーと、夫婦でデートですよ。水族館デート。うふふふ」

「ルレイア!馬鹿!」

「…!」

嫁だのデートだの夫婦だの、今のルヴィアにとっては、禁句だ。

案の定。

「…俺には、もう陸で生きてる資格はない…。入水してきます」

「待てルヴィア、行くな。何考えてる」

お前が死んだら嫁と俺が悲しむぞ。やめろ。

「大体お前、何で一人なんだ。嫁と来るんだって言ってたじゃないか」

まさか、二人で来たけど、人混みではぐれました、って訳でもないんだろう?