The previous night of the world revolution4~I.D.~

仕方なく、俺はフェロモンを振り撒くルレイアと水族館にやって来た。

来るのは良いから、フェロモン撒くのやめろ。

オープンして間もないせいか、かなり人が多い。

「わ~見てルルシー、クマノミですよ。イソギンチャクに隠れてしたたかかつ、ズル賢く生きるクマノミですよ」

言い方、言い方。

「おっ!あっちはロブスターですって。頭かち割ってオリーブオイルで焼いたら美味しそうですね」

それ水族館で言っちゃいけないことだから。

「イワシが群れで泳いでますね~。あいつら群れなきゃ何も出来ないなんて、まるで女子高生ですね!」

女子高生に失礼だろうが。

あと、他の客に聞こえるからやめろ。

「お前、水族館楽しむ気あるのか?」

「ありますよ。ちゃんと楽しんでるじゃないですか」

そういうのは楽しんでるとは言わないんだよ。

悪口しか言ってないじゃん、さっきから。

「あっ、ほら見てくださいルルシー。あそこに、嫁に捨てられて陰気な顔になったルヴィアさんが展示されてますよ」

「…は…?」

ルレイアが指を差した先。

そこにいたのは。

「る…ルヴィア…?」

きゃっきゃとはしゃぐカップル達を横目に、ぼんやりと水槽の中を見つめる、俺の部下であった。