The previous night of the world revolution4~I.D.~

ルレイアも仕事である以上、引き受けたからには草食系を演じきるだろうが…。

本当にルレイアにそんなことが出来るのか、心配である。

すると、機嫌を良くしたリファロが、ルレイアにとんでもないことをした。

「ふふ、そうかぁ…。可愛いね」

馴れ馴れしくもルレイアの頭をよしよし、と撫でたのである。

全身に鳥肌が立った。

「…!あの男最っ低…!」

これにはシュノも激怒。

「きしょっ!うぼぇぇ」

アリューシャはゲロ。

「…ちょっと視覚的にキツいね」

アイズもドン引き。

「…ルリシヤ。お前は大丈夫か?」

「ん?そうだな…。正直あいつ殺したいと思った」

「そうか。…同感だな」

ごめん。理不尽なこと言ってる自覚はある。

でも死ねば良いと思った。

あのリファロが目の前にいなくて良かった。いたら確実にボコボコにしてた。

あんなことされてるのに、まるで動じずにこやかにしてるルレイアの器の大きさよ。

我が相棒ながら、尊敬するよ。

しかし、リファロの暴挙はそれだけに留まらなかった。

「君、最初に見たときから思ってたけど…。僕の好みの顔なんだよね」

「そうですか?ありがとうございます」

ルレイアの頬から顎にかけて、指でツーっとなぞる。その仕草。

少女漫画でそんなシーンがあったら、胸がきゅんとするのだろうが。

リアルで、しかも男同士で、ついでに相棒であるルレイアが、見知らぬ男にやられたともなると。

今すぐ、この場に隕石を落としてあいつを滅殺してやりたくなった。

この際俺が巻き込まれても構わない。

「何あれ…!最低!」

俺達も、覗きという最低な行為をしているのだが。

それは棚の上に、たか~く上げておいて。

「きっしょ。何あいつ!アリューシャ狙撃して良い?」

「うん…。ちょっと本気で頼みたくなってきた」

アイズまで冷静さを欠いてきてる。

何が好みの顔だよ。お前のものじゃねーよ糞が。

強いて言うなら俺のものだ糞が。

俺もだいぶ冷静さを欠いてる。

今更ながら、こんなところ来るんじゃなかったと深く後悔した。