「じゃあリファロさんは、体位はピーで、プレイの方はピーとピーがお気に入りってことですね」

「そうなるね。どう?君はイケる口?」

「どうでしょうね~。経験がないので…」

「まぁ慣れてないなら、ピーくらいが良いかな。いきなりピーはちょっと、初めての子には辛いだろうから」

「そうしてくれると助かります」

…誰?天気の話をして親睦を深めてるとか言った奴。

会話が、完全にR18。

既にそういう仲になっていらっしゃる。

アイズが、何のこっちゃと首を傾げているアリューシャの耳を、スッ…と塞いだ。

賢明な判断だ。

シュノは顔を真っ赤にしていた。

聞くんじゃなかったよ、こんなもの。

とてもじゃないけどお茶の間に届けられないNGワードを連発してる。

「さすがはルレイア先輩だ…。まだ太陽真っ盛りの昼間なのに、既に夜の話で盛り上がるとは…。尊敬しないとな」

「するな」

何一つ褒められたところなんてない。

あいつだけは決して見習ってはいけない。

ってかあの相手の男、リファロって名前なのか。

ルレイアは勿論だが、あの男も相当なプレイボーイのようだな。

しかも、男専門の。

ルレイアを見る目付きが、完全に獲物を見る目だ。

なんか…所有権を奪われたようで、何となく気に入らないが…。

更に、リファロという男は、馴れ馴れしくルレイアの肩に触れながら尋ねた。

「じゃあ、ピーは出来る?僕の恋人になりたいなら、最低でもそれくらいはしてもらわないと困るんだけど…」

おい。あいつ何様だコラ。

あんな生意気な態度を取られたら、普段のルレイアならぶちギレること間違いなしだが。

今回はお仕事だからか、ルレイアはにこりとして答えた。

「大丈夫です」

「したことあるの?」

「ありませんけど…。でもあなたの為なら、頑張ってみます」

ルレイアの、あのつぶらな草食系男子の目。

好きな者には堪らない目だろう。

案の定、リファロという男は満足そうに舌なめずり。

あいつ、ぶん殴ってやりたいんだけど。

「演技とはいえ、凄いな…。ルレイア先輩にあんな目が出来るとは。いつもなら、超食欲旺盛肉食獣系男子なのに…」

「獣かよ…。せめて人間にしてやってくれ」

だが、言いたいことは分かる。

普段のあいつは、レアだろうがミディアムだろうがウェルダンだろうが、霜降りだろうが赤身だろうが、肉であれば何でもかぶりつくほどの肉食男子なのに。

今回は、食べられる側らしい。

…大丈夫なのか?