…二時間後。

俺の顔は、見事にルレイアの玩具にされていた。

ルレイアが、「女性のシュノさんの顔に落書きは出来ません!」とか何とか体の良いことを言って、シュノの分の落書きも、俺が引き受けたものだから。

余計に酷いことになってる。

「ご、ごめんねルルシー…。私弱くて…」

自分のぶんまで罰ゲームを引き受けて、悲惨な顔になってる俺に申し訳なかったのか、シュノが謝ってきたが。

「違う…。断じてシュノのせいじゃない」

シュノが弱いのではない。

ルレイアとルリシヤが強過ぎるのだ。

羽根突き選手権があったら、多分プロになれる腕前。

元々運動神経抜群の二人ではあるが、組ませるとここまで脅威とは。

「まぁ、順当な結果…と言えば順当な結果だよね」

「元気出せルル公。相手が悪かった」

「…畜生…」

アイズとアリューシャに励まされるが、全然納得行かない。

だって、俺の顔は。

「…うふふ。これでルルシーは俺のモノ…」

「あぁ。よく似合ってるよルルシー先輩」

「…ぶっ飛ばすぞ、お前ら」

俺の顔には、ルレイアの落書きが。

その内容は。

額から口許に矢印を引っ張って、こう一言。

「ルレイア専用(ハート)」。

「…まるでアダルトコミックだな」

「うふふ。だってルルシーのお口は…俺専用だもん♪」

「すげぇルル公!エロゲみてぇ!」

「はいはいアリューシャ。見ちゃ駄目だからねー」

「仲良いなぁ…羨ましい」

羨ましいならやるよ、シュノ。俺持て余してんだよ。

「…うふふー」

「…」

にっこにっこと俺を見つめるルレイア。

嬉しそうなのは良い。嬉しそうなのは良いけど…。

…もう二度と羽根突きなんてやらねぇ、と心に誓った。