お雑煮を食べた後。




「よし、ルルシー。これから初詣に行きましょう」

「は?」

「お、良いじゃないか初詣。行こう」

「午後からだと人も増えそうだし、早めに行こうか」

おい、何を勝手に決めてる。

俺は行くなんて一言も、

「さぁ行きましょうね~ルルシー」

「ちょっ、まっ…!俺は行くなんて言ってな、」

「はいはいルルシー様一名入りま~す!」

「こらっ!ルレイア!」

俺はぐいぐいとルレイアに背中を押され、無理矢理外に出された。

この野郎。

マフィアが初詣なんて、行くもんじゃねぇだろ、と思ったのだが。

こいつらに、そんな理屈は通用しない。

大体マフィアの幹部が、大晦日に蒼白観て大騒ぎしてるのもおかしいだろう。

仕方なく、俺は近所の神社に連れていかれた。

うちの近所の神社は、普段はそんなに人が多い訳ではないのだが…。

今日はさすがに元旦だからか、人が多かった。

「しかしこいつらも都合が良いですよね。普段は神社なんて省みもしない癖に、正月だけ来てご利益賜ろうとは」

「…それを言うな、ルレイア」

俺達も似たようなもんだろ。

初詣という口実でもない限り、神社になんて来ないよなぁ。

「よーし。アリューシャお賽銭投げる!アリューシャお賽銭投げ係だからな」

「はいはい、じゃあ全員分で…500円くらいかな?」

六人だとまぁそんなもんか。

アイズが五百円玉を渡すと、アリューシャは大層張り切って、

「よし!アリューシャ投げるぞ!見事ヒットさせて見せるからな。見とけよ、スナイパーアリューシャの勇姿!」

お賽銭投げを、狙撃か何かと勘違いしているアリューシャである。

馬鹿なのかこいつは。普通に入れろ。

「鈴ガラガラもアリューシャがやる!」

「はいはい。良いよー」

ガキだな。やっぱり。

アリューシャは嬉しそうに鈴緒を掴み、ぶんぶん振り回して鈴を鳴らした。

「はいアリューシャ。お辞儀してパンパンしてね」

「うい」

俺達も横に並んで、手を合わせた。