The previous night of the world revolution4~I.D.~

「…何で、クリスマスツリーなんて…」

「アリューシャがおねだりしてきたの。『アリューシャでっけぇクリスマスツリー欲しい!』って。なら今年はエントランスにツリーを置こうと思って」

「アリューシャ!言い出しっぺは貴様か!」

俺はアリューシャの後頭部をひっぱたいた。

何がでっけぇクリスマスツリーだ。お前は家庭用ツリーをアイズにもらうんじゃなかったのか!

何であちこちにツリー飾りたがるんだお前は。ガキか!

「いてぇ!何すんだルル公!アイ公に言いつけるぞ!」

「うるせぇ!言いつけるも何も、今そこにいるだろうが!」

「ちょっとルルシー。アリューシャを叩かないで。アリューシャが真似するようになったら困るでしょ。私はアリューシャを優しい子に育てたいんだから」

「え?あ、ごめん…」

アイズ、お前アリューシャの育児してるの?そうなの?

どんな悪漢でも、数百メートル先から影も形もなく射抜いてみせる変態スナイパーの、何処が優しいって?

今までアリューシャに撃たれて命を奪われた奴らも、まさか自分を撃ったスナイパーが、でっかいクリスマスツリーに喜んでるとは思ってないだろうな。

こんな奴に撃たれたと知れば、情けなくて死にきれんよ。

すると。

「ルルシ~。一緒に飾り付けしましょ~」

「こいつにだけは殺されたくない」ルティス帝国代表であり、そして悲しくも俺の相棒であるルレイアが。

ぴとっ、と俺にくっついてきた。

…お前に殺された奴って、多分めちゃくちゃいると思うけどさ。

真っ黒い薔薇のオーナメントを片手に、俺にくっついてルンルンしてる、この気の抜けた顔を見たら。

死んでも死にきれないだろうな。

同情するよ、本当。