孤児院を出た俺達は。
その帰りに、もう一つ…ルルシーの思い出の場所。
かつてルルシーが孤児院を逃げ出してから、身を潜めていたという貧民街に立ち寄った。
ここは、ルルシーが生まれたアパートがある街より、更に荒廃していた。
というのも、俺達が足を踏み入れて十分とたたずに。
この貧民街を取り仕切っているらしいゴロツキ共が、俺達を取り囲んだからである。
「…随分とガラが悪くなったもんだな」
「本当。酷いですね」
外から来た俺達をいきなり取り囲むなんて、なんてえっちなんだ。
彼らはガムをくちゃくちゃ噛みながら、にやにやと俺達を見ていた。
今更ながら、貧民街に来るなら、もう少し安物の服を着てくるべきだったと後悔した。
こんな高級ゴスロリ服着てたら、そりゃあチンピラ達からすれば格好の的だ。
きっと皆ゴスロリが好きなんだろうな。
ゴロツキのボスらしき男が前に出て、煙草を吹かしながら顎をしゃくって、こう聞いた。
「お前ら、何処から来た?」
「ちょっと帝都から」
「帝都ねぇ…。まぁ、何処から来たなんてどうでも良い。俺達の縄張りに無断で入ってきたからには…払うもん払ってもらわないとなぁ」
…ほーう。
俺はにやっと笑って、大袈裟な態度で辺りを見渡した。
「え、縄張り…?カラスか何かが住み着いてるんですか?まぁそれは仕方ありませんね。彼らが何処に縄張りを作ろうと、それはカラスの勝手でしょ~♪ですし」
「…」
ゴロツキ達の顔色が変わった。
おいおい。煽り耐性ひっく。
こんなの煽りのうちに入ってないぞ。
「まぁどうでも良いんで、退いてください。俺達里帰りしに来たんですよ。ねぇルルシー」
「あぁ…そうだな」
しかし。
プライドを傷つけられたゴロツキ共が、そう簡単に引き下がるはずはなく。
彼らは、何処からか鉄パイプやら金属バットやらを持ち出して、臨戦態勢。
あらあら。やる気を出して。
「…もう一度チャンスをやるよ。払うもの払ってもらおうか。大人しく出せば、命だけは助けてやるよ」
「命だけは助けてやるよ(キリッ)ですって。ウケる~」
「…ルレイア。煽るな」
あ、ごめんつい。
帝都では、俺達に喧嘩を売るような命知らずはいないから、つい新鮮で。
その帰りに、もう一つ…ルルシーの思い出の場所。
かつてルルシーが孤児院を逃げ出してから、身を潜めていたという貧民街に立ち寄った。
ここは、ルルシーが生まれたアパートがある街より、更に荒廃していた。
というのも、俺達が足を踏み入れて十分とたたずに。
この貧民街を取り仕切っているらしいゴロツキ共が、俺達を取り囲んだからである。
「…随分とガラが悪くなったもんだな」
「本当。酷いですね」
外から来た俺達をいきなり取り囲むなんて、なんてえっちなんだ。
彼らはガムをくちゃくちゃ噛みながら、にやにやと俺達を見ていた。
今更ながら、貧民街に来るなら、もう少し安物の服を着てくるべきだったと後悔した。
こんな高級ゴスロリ服着てたら、そりゃあチンピラ達からすれば格好の的だ。
きっと皆ゴスロリが好きなんだろうな。
ゴロツキのボスらしき男が前に出て、煙草を吹かしながら顎をしゃくって、こう聞いた。
「お前ら、何処から来た?」
「ちょっと帝都から」
「帝都ねぇ…。まぁ、何処から来たなんてどうでも良い。俺達の縄張りに無断で入ってきたからには…払うもん払ってもらわないとなぁ」
…ほーう。
俺はにやっと笑って、大袈裟な態度で辺りを見渡した。
「え、縄張り…?カラスか何かが住み着いてるんですか?まぁそれは仕方ありませんね。彼らが何処に縄張りを作ろうと、それはカラスの勝手でしょ~♪ですし」
「…」
ゴロツキ達の顔色が変わった。
おいおい。煽り耐性ひっく。
こんなの煽りのうちに入ってないぞ。
「まぁどうでも良いんで、退いてください。俺達里帰りしに来たんですよ。ねぇルルシー」
「あぁ…そうだな」
しかし。
プライドを傷つけられたゴロツキ共が、そう簡単に引き下がるはずはなく。
彼らは、何処からか鉄パイプやら金属バットやらを持ち出して、臨戦態勢。
あらあら。やる気を出して。
「…もう一度チャンスをやるよ。払うもの払ってもらおうか。大人しく出せば、命だけは助けてやるよ」
「命だけは助けてやるよ(キリッ)ですって。ウケる~」
「…ルレイア。煽るな」
あ、ごめんつい。
帝都では、俺達に喧嘩を売るような命知らずはいないから、つい新鮮で。


