「…」
ルルシーは、俺がドアを蹴っ飛ばして開けた部屋に入り。
中を見渡した。
この部屋も、あちこち朽ち果てている。
カーテンはボロボロ、窓ガラスも割れ、ベッドの足は折れて傾いていた。
床には大きな穴が空いているし、壁にはひしゃげたドアが…って、あれは今俺が蹴っ飛ばしたんだった。
てへぺろ。
「…大丈夫ですか?ルルシー」
「…あぁ…」
ルルシーにとっては、トラウマを彷彿させる場所。
当然ながら、心穏やかではいられまい。
「…何だかな、今まで何処か夢のように思ってたけど…。夢じゃなかったんだな。俺、本当にここにいたんだな…」
ルルシーは、他人事のようにぽつりと呟いた。
「…分かりますよ、その気持ち」
俺もさっき、そんな気持ちになったから。
夢だったらどんなに良かったかな。
現実なんだ。この悪夢は。
「本当…。何が怖かったんだろうな。ルレイア、お前の気持ちが分かったよ」
「…ルルシー…」
俺は、先程ルルシーがしてくれたように、ルルシーの手を握った。
「ルルシーもよく頑張りましたよ」
「…そうか…?お前ほどじゃないけどな」
「もー照れ屋なんだから」
素直に、そうだねありがと~って言えば良いのに。
「…帰るか、ルレイア」
「もう良いんですか?」
「あんまり長くいたら危ないし…。それに、もう気が済んだよ」
「…なら、良いですけど」
これで少しでもルルシーの気が晴れたなら、何よりだ。
ルルシーは最後に一度だけ、部屋の中を振り返り。
「…」
その後は、もう振り返らなかった。
ルルシーは、俺がドアを蹴っ飛ばして開けた部屋に入り。
中を見渡した。
この部屋も、あちこち朽ち果てている。
カーテンはボロボロ、窓ガラスも割れ、ベッドの足は折れて傾いていた。
床には大きな穴が空いているし、壁にはひしゃげたドアが…って、あれは今俺が蹴っ飛ばしたんだった。
てへぺろ。
「…大丈夫ですか?ルルシー」
「…あぁ…」
ルルシーにとっては、トラウマを彷彿させる場所。
当然ながら、心穏やかではいられまい。
「…何だかな、今まで何処か夢のように思ってたけど…。夢じゃなかったんだな。俺、本当にここにいたんだな…」
ルルシーは、他人事のようにぽつりと呟いた。
「…分かりますよ、その気持ち」
俺もさっき、そんな気持ちになったから。
夢だったらどんなに良かったかな。
現実なんだ。この悪夢は。
「本当…。何が怖かったんだろうな。ルレイア、お前の気持ちが分かったよ」
「…ルルシー…」
俺は、先程ルルシーがしてくれたように、ルルシーの手を握った。
「ルルシーもよく頑張りましたよ」
「…そうか…?お前ほどじゃないけどな」
「もー照れ屋なんだから」
素直に、そうだねありがと~って言えば良いのに。
「…帰るか、ルレイア」
「もう良いんですか?」
「あんまり長くいたら危ないし…。それに、もう気が済んだよ」
「…なら、良いですけど」
これで少しでもルルシーの気が晴れたなら、何よりだ。
ルルシーは最後に一度だけ、部屋の中を振り返り。
「…」
その後は、もう振り返らなかった。


