帝国騎士官学校を出てから。
「さて、次はルルシーの故郷に向かいましょうか」
「…あ?」
何だよ。あ?って。
まさかこれで終わりだと思ったのか。
「ルルシーの方も行かなきゃ…。ルルシーの悪夢は晴れないでしょうよ」
そもそも、今日の訪問で本当に悪夢は終わるのだろうか。
俺の自己満足で、実は今夜も変わらず同じ夢を見る、なんてことになるかも。
最悪だな。何の為に来たんだよ。
「それとも、ルルシーはまだ無理です?」
立ち向かう勇気が持てないか。
それはそれで構わない。弱虫な男だ、となじる奴はいないし、そんな奴がいたら俺が首を刈る。
「無理そうならやめておきましょう。わざわざかさぶたひっぺがして、塩を塗る必要はありませんから」
「…いや、行くよ」
ほう。
「良いんですか?」
「かさぶたひっぺがして、塩を塗らなきゃ傷が治らないなら…やむを得んだろう?」
成程。ルルシーは痛い思いをしてでも、傷を治す方を選ぶか。
それもまた良いだろう。
「分かりました。じゃあ…案内してください。それとも俺と一緒に行くのは嫌ですか?」
「お前が一緒でもなきゃ、あんなところには行かないよ」
「なら、ご一緒しましょう」
俺もルルシーも、一人で立ち向かえるほど強い人間じゃないからな。
お互い依存し合うなら、お互いの傷を舐め合うのもまた良いだろう。
「さて、次はルルシーの故郷に向かいましょうか」
「…あ?」
何だよ。あ?って。
まさかこれで終わりだと思ったのか。
「ルルシーの方も行かなきゃ…。ルルシーの悪夢は晴れないでしょうよ」
そもそも、今日の訪問で本当に悪夢は終わるのだろうか。
俺の自己満足で、実は今夜も変わらず同じ夢を見る、なんてことになるかも。
最悪だな。何の為に来たんだよ。
「それとも、ルルシーはまだ無理です?」
立ち向かう勇気が持てないか。
それはそれで構わない。弱虫な男だ、となじる奴はいないし、そんな奴がいたら俺が首を刈る。
「無理そうならやめておきましょう。わざわざかさぶたひっぺがして、塩を塗る必要はありませんから」
「…いや、行くよ」
ほう。
「良いんですか?」
「かさぶたひっぺがして、塩を塗らなきゃ傷が治らないなら…やむを得んだろう?」
成程。ルルシーは痛い思いをしてでも、傷を治す方を選ぶか。
それもまた良いだろう。
「分かりました。じゃあ…案内してください。それとも俺と一緒に行くのは嫌ですか?」
「お前が一緒でもなきゃ、あんなところには行かないよ」
「なら、ご一緒しましょう」
俺もルルシーも、一人で立ち向かえるほど強い人間じゃないからな。
お互い依存し合うなら、お互いの傷を舐め合うのもまた良いだろう。


