The previous night of the world revolution4~I.D.~

「…っ!!」

次の瞬間、俺は現実に引き戻された。

ここが何処なのか、一瞬分からなくなった。

自宅だぞ。何で分からなくなるんだ。

枕元のデジタル時計を見ると、まだ深夜二時過ぎだった。

「…主様?大丈夫ですか?」

俺が荒い息をしていることに気づいたらしく、エリュシアが寝室に顔を覗かせた。

「…はぁ…はぁ…ルルシー…」

愛しい名前。俺は忘れていない。

俺の救世主の名前。

俺にとって、ルルシーは救世主。

でも、俺は?

俺はルルシーの何?

ルルシーを縛り付ける、彼をがんじがらめにする重い鎖?

…あなたの人生に、俺はそもそも必要なかった。

「…っ…」

「…主様!?」

「ついてくるな!」

俺はエリュシアにそう吐き捨てて、寝室を飛び出した。