The previous night of the world revolution4~I.D.~

…全て、俺が撒いた種だと言うのか。

俺が苦しめた、傷つけた人達の報復なのか。

これは、俺が受けるべき報いだと言うのか。

だから俺は逃げることも出来ず、許されず…彼らに責められ、罪を悔いなければならないのか。

誰の助けを求めることも許されずに…。

「…違う…」

助けはある。救いはちゃんとある。

俺は覚えている。この場所は俺にとって地獄であり…そして、救いの場でもあることを。

そうだ。ここは俺の救世主と出会った場所。

偽者のアシミムじゃない。

俺は、俺の救世主が誰なのか知ってる。

己の魂に、刻み込んだのだから。

「…あなた達なんて怖くない。…俺には、ルルシーがいるんですから」

この地獄にも、救いがあるのだと知ってる。

心配要らない。ルルシーが助けてくれる。ルルシーが、何度でも俺を…。

「…何がルルシーだ。何が、お前の救世主だ」

「…あ?」

足元に、生首がころん、と落ちていた。

その生首が、血走った目で俺を睨んでいた。

俺の鎌で取られたミレド王の生首だった。

違う。お前を殺したのはアシミムだ。

そう言ってやれば良かった。

でも、言えなかった。

だって。

「お前は、奴の人生を縛り付けているだけじゃないか…!お前の身勝手な欲望の為に!」

「…」





この夢は、俺が勝手に作り出した幻。

つまり、俺が心の底で、頭の隅っこで思っていること。

それが夢となって、俺の前に現れている。

なら、俺自身分かってるってことじゃないか。

自分が、ルルシーを縛り付けているのだと。

俺は確かに、ルルシーに救われた。ルルシーと出会って、この上なく幸せだった。