The previous night of the world revolution4~I.D.~

だが、現実はそんなに甘くなかった。

「…ちっ」

二時間ほどベッドの中で目を閉じていたが、やはり眠れない。

考えられる限りのことは、全て試した。

大好きな『frontier』の曲も聴いたし、枕もオーダーメイドで仕立てたものを使ってるし。

等身大ルトリア抱き枕も抱っこしたし、それでも駄目ならと、ルルシーには内緒でこっそり作らせた、等身大ルルシー抱き枕も抱っこしてみた。

素晴らしく抱き心地が良くて、むしろ興奮してきたのでちょっと逆効果だった。

アイマスクもつけてみたし、アロマとかも試してみたが、軒並み効果ナシ。

こうなったらいっそ眠くなるまで待とうと思って、開き直って起きていたこともあるが。

我ながらびっくりするくらい顔色が悪くなってしまい、こんな顔を見たらルルシーが大騒ぎするに違いないと思って、それも断念。

シェルドニアの一件で、ルルシーには既に一生ぶんの心配をかけている。

これ以上はさすがに遠慮したいと思って、なんとかルルシーには隠しているが。

「…はぁ…」

俺は溜め息をついて目を開いた。

眠れもしないのに意地になって目を閉じてる意味がない。

「…主様。まだ眠れませんか?」

「…無理です」

エリュシアが、不安そうに寝室に顔を覗かせた。

無駄に強い睡眠薬を飲んだせいで、頭だけはめちゃくちゃぼんやりする。

頭はふわふわしてるのに、眠ることは出来ないのだから辛い。

…ルルシーには、内緒にしているのだが。

…実はルティス帝国に帰国してからというもの、まともに眠れていない。

いや、眠れないと言うか…正しくは、眠れないのではなく…眠るのが、怖いのだ。

帰国してからずっと、眠る度に夢を見る。

『ホワイト・ドリーム号』で毎晩見せられた、あの悪夢と同じ夢を、だ。