The previous night of the world revolution4~I.D.~

「つーか、高いんだな…。ポップコーンの癖に二千円越えかよ…」

ルルシーは、俺が首からさげたバケットを見て、そう呟いた。

ほぼバケット代だよね。多分。

中身も結構入ってるけど。

「ハムスターランドのポップコーンだと思うから買えるんですよ。こんな駄菓子、普通のデパートでこの値段で売ってたら、誰も買いませんよ」

「…身も蓋もないな…」

ハムスターランドでしか買えない、と思うから買うんだよ。

大体こんなバケットを首からさげて平気で歩けるのも、ここだけだ。

頭に被り物被って歩けるのもな。

ハムスターランドにいるまでは良いとして、ここから一歩でも出たら、じろじろ奇異の目で見られるに決まってる。

そういうもんだよ。

実生活で被り物被ってて怪しまれないのは、ルリシヤくらいだ。

「うん、美味しい。お前達も食べるか?」

「…要らねーよ」

首からハムッキーのバケットをさげて、ポリポリポップコーンを食べるオルタンスに、アドルファスもルーシッドもドン引きだった。

この二人もそろそろ耐久限界っぽいな。

知ったことか。

「さてと…。次はどうしましょう?」

俺は、ルルシーにそう尋ねたのに。

オルタンスが、にゅっと首を突っ込んできた。

「そろそろショーが始まるぞ。『ドリーミング・ハムスター』が…」

「お前に聞いてねぇよ。よし、じゃあルルシー、ショー見に行きましょうか」

「お前…相手してやれよ…」

俺、オルタンスは財布としか思ってないから。今日。