生憎午前中に連絡したときは、ルレイアは不在だということだったが。
午後に、折り返し電話がかかってきた。
『もしもーし、皆の人気者、ルレイアですよ』
自分で言うんだもんな。
そりゃ、ハーレム会員からは人気者かもしれないが。
『何の用ですか?』
「悪いな…。わざわざ…」
本当申し訳なと思ってるよ。お前には。
アホのオルタンスのせいでな。
『オルタンスの差し金か何か?』
「いや…違う」
『ふぅん…?前置きは良いので、さっさと言ってください』
…非常に言いにくい。
非常に言いにくいが、しかし言わなければならない。
「…オルタンスと、ハムスターランドに行ってくれないか」
『…あ゙?』
…ルレイアの、このキレ声。
何が嬉しくて、マフィアの幹部をキレさせなきゃならないんだよ。
何で俺がこんなことを。
『…ちょっともう一回言ってくれませんか』
「…オルタンスとハムスターランドに行ってやってくれ」
『…何でそんなことになるんですか』
あぁ、良かった。
今すぐぶっ殺しに行くから待ってろ、と言われなくて。
こいつに命を狙われたら、さすがに立ち向かうことは考えないぞ。
すぐ国外に逃げる。
それでも追いかけてきそうだからこえぇよ。
「…お前が先日、シェルドニアで色々あったきっかけは、そもそもオルタンスが送った旅行券だってことは知ってるよな?」
『えぇ、知ってますよ』
さすがに不機嫌そうな声だった。
俺にキレないでくれ。悪いのはオルタンスだから。
「あれ、ハムスターランドのチケットだったそうなんだが」
『…それも聞きました』
「お前がシェルドニアに行ってる間、ずーっとハムハム言ってたんだ」
『好きに言わせとけば良いじゃないですか』
俺もそう思うんだけど。
お前は遠くにいるからそう言えるんだ。ハムハム言ってる奴の近くにいてみろ。
頭痛くなるから。
「お前が帰ってきてからというもの、最近ますます酷くなってな」
『あぁん…?』
「ハムスターランドの公式キャラクター、ハムニーのカチューシャをつけて生活するようになった」
『…肌身離さず?』
「肌身離さずだ」
『馬鹿なんですか?』
お前良いこと言うな。
俺もそう思うよ。
「馬鹿なんだろうな」
『そんな馬鹿放っておけば良いじゃないですか』
「放っておけたら苦労しないんだよ…」
目の前でハムハム言ってる奴を、どうやって無視すれば良いんだよ。
会議ともなれば、どうしても顔を会わせなきゃならないんだからな。
思ってるより大変なんだぞ、ルレイア。
ふざけた格好のあいつを前に、真面目な顔をして真面目な話をしなきゃならないこっちの身にもなってくれ。
「あれはもうどうなっても、お前とハムスターランドに行くまでは納得しない。半日でも良いから付き合ってやってくれ」
『嫌なんですけど』
だろうな。
「俺も嫌だよ」
喜ぶのはオルタンスだけだろ。
「でも付き合ってやってくれ。これ以上ハムハム言ってるあいつと仕事するのは耐えられん。費用はこちらが持つから。何なら謝礼も用意するから」
それでオルタンスが大人しくなるなら、皆で融資するよ。
ルーシッドとリーヴァを募って。
『えぇ~…?だっる~…』
ルレイアの声は、本気で嫌そうだった。
オルタンスに聞かせてやりたいな。お前のルレイア、こんなに嫌がってるぞ。
それでも一緒に行きたいのか。
…行きたいんだろうな。多分。
午後に、折り返し電話がかかってきた。
『もしもーし、皆の人気者、ルレイアですよ』
自分で言うんだもんな。
そりゃ、ハーレム会員からは人気者かもしれないが。
『何の用ですか?』
「悪いな…。わざわざ…」
本当申し訳なと思ってるよ。お前には。
アホのオルタンスのせいでな。
『オルタンスの差し金か何か?』
「いや…違う」
『ふぅん…?前置きは良いので、さっさと言ってください』
…非常に言いにくい。
非常に言いにくいが、しかし言わなければならない。
「…オルタンスと、ハムスターランドに行ってくれないか」
『…あ゙?』
…ルレイアの、このキレ声。
何が嬉しくて、マフィアの幹部をキレさせなきゃならないんだよ。
何で俺がこんなことを。
『…ちょっともう一回言ってくれませんか』
「…オルタンスとハムスターランドに行ってやってくれ」
『…何でそんなことになるんですか』
あぁ、良かった。
今すぐぶっ殺しに行くから待ってろ、と言われなくて。
こいつに命を狙われたら、さすがに立ち向かうことは考えないぞ。
すぐ国外に逃げる。
それでも追いかけてきそうだからこえぇよ。
「…お前が先日、シェルドニアで色々あったきっかけは、そもそもオルタンスが送った旅行券だってことは知ってるよな?」
『えぇ、知ってますよ』
さすがに不機嫌そうな声だった。
俺にキレないでくれ。悪いのはオルタンスだから。
「あれ、ハムスターランドのチケットだったそうなんだが」
『…それも聞きました』
「お前がシェルドニアに行ってる間、ずーっとハムハム言ってたんだ」
『好きに言わせとけば良いじゃないですか』
俺もそう思うんだけど。
お前は遠くにいるからそう言えるんだ。ハムハム言ってる奴の近くにいてみろ。
頭痛くなるから。
「お前が帰ってきてからというもの、最近ますます酷くなってな」
『あぁん…?』
「ハムスターランドの公式キャラクター、ハムニーのカチューシャをつけて生活するようになった」
『…肌身離さず?』
「肌身離さずだ」
『馬鹿なんですか?』
お前良いこと言うな。
俺もそう思うよ。
「馬鹿なんだろうな」
『そんな馬鹿放っておけば良いじゃないですか』
「放っておけたら苦労しないんだよ…」
目の前でハムハム言ってる奴を、どうやって無視すれば良いんだよ。
会議ともなれば、どうしても顔を会わせなきゃならないんだからな。
思ってるより大変なんだぞ、ルレイア。
ふざけた格好のあいつを前に、真面目な顔をして真面目な話をしなきゃならないこっちの身にもなってくれ。
「あれはもうどうなっても、お前とハムスターランドに行くまでは納得しない。半日でも良いから付き合ってやってくれ」
『嫌なんですけど』
だろうな。
「俺も嫌だよ」
喜ぶのはオルタンスだけだろ。
「でも付き合ってやってくれ。これ以上ハムハム言ってるあいつと仕事するのは耐えられん。費用はこちらが持つから。何なら謝礼も用意するから」
それでオルタンスが大人しくなるなら、皆で融資するよ。
ルーシッドとリーヴァを募って。
『えぇ~…?だっる~…』
ルレイアの声は、本気で嫌そうだった。
オルタンスに聞かせてやりたいな。お前のルレイア、こんなに嫌がってるぞ。
それでも一緒に行きたいのか。
…行きたいんだろうな。多分。


