「それ…?何のことだ?」
きょとん、と首を傾げるオルタンス。
めちゃくちゃ腹が立つな。
「頭だよ頭!」
「頭…?生まれたときからついてるが」
「そのカチューシャだよ!ハムスターの!」
当然、オルタンスがお熱になってる某テーマパークのカチューシャだ。
ルレイアが帰国してからというもの、肌身離さずつけてやがる。
「これはハムスターランドの公式キャラクター、ハムッキーの相方、ハムニーのカチューシャだ」
「何でも良いんだよ種類なんて。で、何でそんなものつけてんだ」
キャラクターの種類など知ったことか。
そのカチューシャをつけていることが問題なのだ。
「単なるファッションだ。アクセサリーをつけているのと変わらない」
「その格好のお前と、真面目な顔突き合わせて会議しなきゃならない俺達の身にもなってみろ」
お前の顔見てると、話し合ってることが全てどうでも良くなってくるんだよ。
とんだ害悪だぞ、そのカチューシャ。
いや、カチューシャが悪いのではない。悪いのはそのカチューシャを被ってるオルタンスだ。
皆突っ込みたくて堪らないのだが、あまりにもシュール過ぎて、突っ込むに突っ込めない状況がもう一ヶ月以上続いている。
アルティシア様も、一目見てぎょっとしてたぞ。
彼女も突っ込むに突っ込めなかったのか、結局黙っていた。
いい加減にしろよマジで。
これで仕事に手を抜くなら、すぐに訴えるべきところに訴えてクビにしてやれるんだが。
おかしいのは格好だけで、仕事も態度も大真面目だから、クビにも出来やしない。
だが、これ以上はもう限界だ。
何が嬉しくて、こんな頭ハッピーな男と仕事しなきゃならんのだ。
「外せ。今すぐ外せ」
「嫌だ」
我が儘かよ。
「何が嫌なんだよ」
「…ルレイアとハムスターランドに行きたい…」
またその話か。
いい加減諦めろよ。何でまだ言ってんだ。
「ルレイアが一向に一緒に行ってくれないから、仕方なく願望を押さえる為にカチューシャをつけて、己を宥めてるんだ」
ルレイアのせいにするのかよ。
なんて図々しい…自分が我慢するという選択肢はないのかお前は。
「はぁ、ハムスターランド行きたい…」
「…」
「…良いことを思い付いた、アドルファス」
「…何だよ」
「精巧なルレイアマネキンを造らせて、そのマネキンと一緒にハムスターランドに行こう」
「お前はそれで満足なのかよ!」
もう付き合いきれない。
カチューシャを外させる為にわざわざ声をかけたのに、手痛いカウンターを食らった気分だ。
このままでは、オルタンスは本当にルレイアマネキンを造り出しかねない。
国民の税金でそんな下らないものを造らせる訳にはいかないので、仕方なく、俺は『青薔薇連合会』に向けて受話器を取った。
きょとん、と首を傾げるオルタンス。
めちゃくちゃ腹が立つな。
「頭だよ頭!」
「頭…?生まれたときからついてるが」
「そのカチューシャだよ!ハムスターの!」
当然、オルタンスがお熱になってる某テーマパークのカチューシャだ。
ルレイアが帰国してからというもの、肌身離さずつけてやがる。
「これはハムスターランドの公式キャラクター、ハムッキーの相方、ハムニーのカチューシャだ」
「何でも良いんだよ種類なんて。で、何でそんなものつけてんだ」
キャラクターの種類など知ったことか。
そのカチューシャをつけていることが問題なのだ。
「単なるファッションだ。アクセサリーをつけているのと変わらない」
「その格好のお前と、真面目な顔突き合わせて会議しなきゃならない俺達の身にもなってみろ」
お前の顔見てると、話し合ってることが全てどうでも良くなってくるんだよ。
とんだ害悪だぞ、そのカチューシャ。
いや、カチューシャが悪いのではない。悪いのはそのカチューシャを被ってるオルタンスだ。
皆突っ込みたくて堪らないのだが、あまりにもシュール過ぎて、突っ込むに突っ込めない状況がもう一ヶ月以上続いている。
アルティシア様も、一目見てぎょっとしてたぞ。
彼女も突っ込むに突っ込めなかったのか、結局黙っていた。
いい加減にしろよマジで。
これで仕事に手を抜くなら、すぐに訴えるべきところに訴えてクビにしてやれるんだが。
おかしいのは格好だけで、仕事も態度も大真面目だから、クビにも出来やしない。
だが、これ以上はもう限界だ。
何が嬉しくて、こんな頭ハッピーな男と仕事しなきゃならんのだ。
「外せ。今すぐ外せ」
「嫌だ」
我が儘かよ。
「何が嫌なんだよ」
「…ルレイアとハムスターランドに行きたい…」
またその話か。
いい加減諦めろよ。何でまだ言ってんだ。
「ルレイアが一向に一緒に行ってくれないから、仕方なく願望を押さえる為にカチューシャをつけて、己を宥めてるんだ」
ルレイアのせいにするのかよ。
なんて図々しい…自分が我慢するという選択肢はないのかお前は。
「はぁ、ハムスターランド行きたい…」
「…」
「…良いことを思い付いた、アドルファス」
「…何だよ」
「精巧なルレイアマネキンを造らせて、そのマネキンと一緒にハムスターランドに行こう」
「お前はそれで満足なのかよ!」
もう付き合いきれない。
カチューシャを外させる為にわざわざ声をかけたのに、手痛いカウンターを食らった気分だ。
このままでは、オルタンスは本当にルレイアマネキンを造り出しかねない。
国民の税金でそんな下らないものを造らせる訳にはいかないので、仕方なく、俺は『青薔薇連合会』に向けて受話器を取った。


