The previous night of the world revolution4~I.D.~

ルリシヤのチョコマフィンを食べながら。

「うめぇ。ルリマフィンうめぇ」

「アリューシャ。ぽろぽろ溢してるよ。ちゃんとお皿受けて食べて」

相変わらず、アイズはアリューシャのお世話に大変だが。

アリューシャの言う通り、ルリシヤのチョコマフィンは絶品であった。

うっかり食べ過ぎてしまいそうになるな…と思っていた、そのとき。

あることに気がついた。

「…あ、ルリシヤそれ」

「ん?」

「そのマグカップ…さてはベーシュちゃんマグカップですね?」

「ふふ。よく気づいたなルレイア先輩」

「勿論ですよ~!俺もそれのルトリアバージョン持ってますから!」

「…気づくも何も、思いっきり写真プリントしてあるじゃん…」

ルルシーが呆れて呟いていたが。

そうじゃないんだよ。人に指摘してもらえると嬉しいじゃん?「それ◯◯だよね!?」みたいな。

「俺のお気に入りなんだ」

「へぇ~。可愛いですもんね、ベーシュちゃん」

ゴスロリ布教したら、素直に着てくれたし。

超良い子だよ。

「これであともう少し、胸があれば完璧だったんだが…俺の見立てだと彼女…Bだよな?」

「惜しい。俺の見立てだと、彼女は限りなくC寄りのBです」

「おい、お前ら何の話だ。ってか結局Bなんじゃないか」

ルリシヤの見立てはなかなかだが、まだちょっと甘かったな。

「さすがルレイア先輩…。俺もまだまだ修行が足りないな」

「ふっ。俺ほどにもなると、服の上からでも正確なサイズが分かるようになりますからね。精進してください」

「どんな修行だ。精進せんで良い!」

ルルシーには怒られたものの。

「…?Bって何?血液型?」

「アリューシャにはまだ早いからね」

アリューシャははてなマークを浮かべ、アイズがそれを宥める。

そして、シュノさんは。

「…私…ベーシュちゃんよりちっちゃい…」

しょぼーん、と落ち込んでいた。

まぁまぁ。そう落ち込むことはない。

「しかしルリシヤ、大きければ良いってものじゃないんですよ?」

「そうか?」

「そうですよ。おっぱいというのはですね、ルリシヤ…。大きさでも、形でもない…」

「…じゃあ、何なんだ?是非教えてくれ。後学の為に」

「…味と、感度です」

ルルシーが、ぶはっ、と噴き出していた。

俺、そんなにおかしなことを言ったか?

事実だぞ、事実。

「成程。さすがルレイア先輩…。大変勉強になるよ…俺も見習わなくちゃな」

「うふふ。でしょう?存分に見習ってください」

「…見習うな。こいつだけは見習うなルリシヤ」

いやんルルシーったら。

ルルシーも見習ってくれて良いのよ?

「そっか…。味と感度…そう、そうだよね」

ボリュームに乏しい自分の胸を見下ろして、シュノさんは自分に言い聞かせながら頷いていた。

で、アリューシャとアイズは。

「…?味?なんか美味いの?」

「アリューシャがもうちょっと大きくなったら、教えてあげるからね」

こちらはこちらで、平和だった。