一時休戦ということで、フューニャは何とか車に乗ってくれたけど。
お姫様の機嫌が悪いのは、一目瞭然であった。
だってさっき出迎えてくれたときは、先日二人でデートしたときに買ったばかりの可愛いコート(俺が選んであげた)を着ていたのに。
フューニャはそれをわざわざポイっと脱いで、古い方のコートに着替えていた。
悲しい。
車に乗るのも、いつもは何も言わずに助手席に座るのに。
フューニャはわざと音を立てて後部座席に乗り、ふんっ、とそっぽを向いていた。
話しかけても無視。
涙がちょちょぎれそうです。
結局、華弦の待つレストランに着くまで、一言も喋ってくれなかった。
ヤバいよこれ…。完全に浮気を疑われてる。
違うんだよフューニャ…。お義姉様が…。シェルドニアからフューニャのお義姉様が来てるんだよ…。
気まずい空気の中、レストランに到着。
「フューニャ、あの…。ここだから。彼女、もう先に来て待ってるから…」
「…」
必死に話しかけるも、フューニャさん、ぷいっ、とよそを向いてしまった。
あぁ…。切ない。
俺はこんなにも…こんなにもフューニャ一筋なのに…。
会うなら会ってやろうじゃないかという強い意思で、フューニャはずんずん歩いていった。
慌ててフューニャを追いかけ、予約していたおいた部屋に入る、直前。
「…あの、フューニャ」
「…」
ジトッ、と俺をジト睨むフューニャ。怖い怖い。
マジで泣きそうになるからやめて。
「…何です」
「あの、多分…。色々、驚くことがあるだろうし…。もしかしたら、傷つくかもしれないけど…」
「でしょうね」
やめて泣きそう。
そういう意味じゃなくて。
「…でも、俺はフューニャの味方だから。ずっと味方だから…。それを、忘れないで欲しい」
「…良いでしょう。ならば見てあげましょう…。あなたが何処の馬の骨と逢い引きしたのか」
だから浮気じゃありません。
フューニャはむんずと扉を掴み、怒りに任せて勢い良く開けた。
中にいたのは。
「…えっ…」
「…あら…。お久し振りですね、フューシャ…。随分大きくなりましたね」
およそ、二十年ぶりになる。
姉妹の再会であった。
お姫様の機嫌が悪いのは、一目瞭然であった。
だってさっき出迎えてくれたときは、先日二人でデートしたときに買ったばかりの可愛いコート(俺が選んであげた)を着ていたのに。
フューニャはそれをわざわざポイっと脱いで、古い方のコートに着替えていた。
悲しい。
車に乗るのも、いつもは何も言わずに助手席に座るのに。
フューニャはわざと音を立てて後部座席に乗り、ふんっ、とそっぽを向いていた。
話しかけても無視。
涙がちょちょぎれそうです。
結局、華弦の待つレストランに着くまで、一言も喋ってくれなかった。
ヤバいよこれ…。完全に浮気を疑われてる。
違うんだよフューニャ…。お義姉様が…。シェルドニアからフューニャのお義姉様が来てるんだよ…。
気まずい空気の中、レストランに到着。
「フューニャ、あの…。ここだから。彼女、もう先に来て待ってるから…」
「…」
必死に話しかけるも、フューニャさん、ぷいっ、とよそを向いてしまった。
あぁ…。切ない。
俺はこんなにも…こんなにもフューニャ一筋なのに…。
会うなら会ってやろうじゃないかという強い意思で、フューニャはずんずん歩いていった。
慌ててフューニャを追いかけ、予約していたおいた部屋に入る、直前。
「…あの、フューニャ」
「…」
ジトッ、と俺をジト睨むフューニャ。怖い怖い。
マジで泣きそうになるからやめて。
「…何です」
「あの、多分…。色々、驚くことがあるだろうし…。もしかしたら、傷つくかもしれないけど…」
「でしょうね」
やめて泣きそう。
そういう意味じゃなくて。
「…でも、俺はフューニャの味方だから。ずっと味方だから…。それを、忘れないで欲しい」
「…良いでしょう。ならば見てあげましょう…。あなたが何処の馬の骨と逢い引きしたのか」
だから浮気じゃありません。
フューニャはむんずと扉を掴み、怒りに任せて勢い良く開けた。
中にいたのは。
「…えっ…」
「…あら…。お久し振りですね、フューシャ…。随分大きくなりましたね」
およそ、二十年ぶりになる。
姉妹の再会であった。


