違うんだよ、本当に浮気じゃないんだよ、と半泣きで訴えること10分。
フューニャは、渋々俺に弁明の機会を与えてくれた。
「浮気じゃないなら何です。その女モノの香水の匂いは」
多分、華弦のものだと思われる。
「さっきまで…その…同僚と一緒に車に乗ってたから…」
先に華弦を、レストランに送ってきたから。
車内で、彼女の香水の匂いが移ってしまったのだろう。
「ほう…?同僚と?女性ですよね?」
「うん…」
彼女はルレイアさんの派閥の準幹部になるということだから、同僚という言葉に嘘はない。
しかし。
「…二人きりで?」
「…二人きりで…」
「…助手席に乗せて?」
「…助手席に乗せて…」
お義姉さんだから。
特に考えずに…助手席に…。
「何処に行ったんです?二人で」
「…レストランに…」
…あれ?
なんか俺…取り返しのつかないことをしてしまったのでは?
「…へぇ…」
フューニャは、不気味なくらいにこー、と微笑んでいた。
天使のような…悪魔の微笑み。
「凄いですね。私、尊敬しました。『愛してるよ』って出かけていった夫が、同僚の女性と仲良くドライブに行って、しかもレストランとは。で、家であなたの帰りを待ってる妻にも、今夜外食しようね、ってメールしてきた訳ですか。面の皮が厚いとはこのことですね」
ヤバい。
これはヤバい。本当にヤバい。マジでヤバい。
「洗濯機で回して再教育しようと思いましたが、これはもう無理ですね。ちょっと待っててください悪魔を呼んでくるので。あなたのみならず、私も贄として捧げ、共に地獄に堕ちようじゃありませんか。私も付き合いますよ。二人で、永遠に業火に焼かれる…これも運命…」
「やめて、そんな運命は嫌だ!違うんだよフューニャ!」
そんな全てを悟ったような目をするのやめて!
確かに同僚(女)だけど、お義姉様だし。
レストランは行ったけど、送っていっただけだし。
俺に疚しいことは何もないはずなのだ!
「俺は…俺は浮気した訳じゃないんだ」
「…なら、その香水の匂いは何です」
「それは…その…」
これから明らかになると言うか…。
今はまだちょっと言えないと言うか…。
もごもごしていると、フューニャは心底胡散臭そうに俺を睨んだ。
駄目だ。完全に夫の不倫を疑う妻の目をしてる。
これは、本格的に何とかしなくては。
フューニャは、渋々俺に弁明の機会を与えてくれた。
「浮気じゃないなら何です。その女モノの香水の匂いは」
多分、華弦のものだと思われる。
「さっきまで…その…同僚と一緒に車に乗ってたから…」
先に華弦を、レストランに送ってきたから。
車内で、彼女の香水の匂いが移ってしまったのだろう。
「ほう…?同僚と?女性ですよね?」
「うん…」
彼女はルレイアさんの派閥の準幹部になるということだから、同僚という言葉に嘘はない。
しかし。
「…二人きりで?」
「…二人きりで…」
「…助手席に乗せて?」
「…助手席に乗せて…」
お義姉さんだから。
特に考えずに…助手席に…。
「何処に行ったんです?二人で」
「…レストランに…」
…あれ?
なんか俺…取り返しのつかないことをしてしまったのでは?
「…へぇ…」
フューニャは、不気味なくらいにこー、と微笑んでいた。
天使のような…悪魔の微笑み。
「凄いですね。私、尊敬しました。『愛してるよ』って出かけていった夫が、同僚の女性と仲良くドライブに行って、しかもレストランとは。で、家であなたの帰りを待ってる妻にも、今夜外食しようね、ってメールしてきた訳ですか。面の皮が厚いとはこのことですね」
ヤバい。
これはヤバい。本当にヤバい。マジでヤバい。
「洗濯機で回して再教育しようと思いましたが、これはもう無理ですね。ちょっと待っててください悪魔を呼んでくるので。あなたのみならず、私も贄として捧げ、共に地獄に堕ちようじゃありませんか。私も付き合いますよ。二人で、永遠に業火に焼かれる…これも運命…」
「やめて、そんな運命は嫌だ!違うんだよフューニャ!」
そんな全てを悟ったような目をするのやめて!
確かに同僚(女)だけど、お義姉様だし。
レストランは行ったけど、送っていっただけだし。
俺に疚しいことは何もないはずなのだ!
「俺は…俺は浮気した訳じゃないんだ」
「…なら、その香水の匂いは何です」
「それは…その…」
これから明らかになると言うか…。
今はまだちょっと言えないと言うか…。
もごもごしていると、フューニャは心底胡散臭そうに俺を睨んだ。
駄目だ。完全に夫の不倫を疑う妻の目をしてる。
これは、本格的に何とかしなくては。


