嫁の可愛さというものは、夫が一番よく分かっている。
それは俺も、ルヴィアさんも同じだ。
「うちの嫁は!世界一可愛いんです。一緒にしないでください」
「あ…うん…ごめん…」
今度ばかりは、ルルシーも余計な口出しはしなかった。
素直に認めておいた方が良さそう、と判断したようだ。
「…で、この人は何者なんですか?うちの嫁に髪の色だけ似てますけど」
似てるのは髪の色だけなのか。
ルヴィアさんフィルターを通した嫁の姿が見てみたいな。華弦とどれくらい違うのか。
「彼女は…箱庭帝国の秘境の里出身で…。あなたの嫁の、お姉さんだそうです」
「…へ?」
「あなたにとっては、義姉に当たる人物ですね」
「華弦と言います。妹がお世話になっているようで」
ぺこり、と頭を下げる華弦。
ルヴィアさんは、しばしぽかーんと華弦を見つめて。
それから。
「おっ…お義姉様でしたか!失礼しました。自分、ルヴィア・クランチェスカと言います」
いきなり、物凄く低姿勢になった。
襟を正し、服の裾をちょいちょい、と直して、かくん、と頭を下げた。
「手土産もなしに済みません。まさかお義姉様がいらっしゃるとは知らず…」
「いえ、気にしないでください」
「しかも、本来こちらからご挨拶に伺うべきでしたのに…。大変申し訳ない」
一生懸命好感度を上げようと頑張っていらっしゃる。
さっきまで華弦のこと、馬の骨だとか言ってなかったっけ?
それは忘れてるのかもしれない。
「それにしても、お義姉様が何故ここに…?」
と言うか、お姉さんいたのか、と思ってるだろうね。
俺達だって、シェルドニアで華弦に会わなきゃ、一生知らずにいただろう。
ルヴィアさん嫁の出身地が出身地だからな。
家族がいたとしても、多分全滅だろうと思っていた。
皮肉なことに華弦は、家族に売られたからこそ、生き延びることが出来たのだろう。
「それについては、俺達が説明しましょう。ね、ルルシー」
「あぁ…そうだな」
俺とルルシーは、シェルドニア王国での華弦との出会いについて話した。
華弦が、元々箱庭帝国の生まれだったことも。
ルヴィアさんの嫁が物心つく前に売られてしまったので、姉がいた事実はルヴィアさん嫁は知らないだろうということも。
一通り話終えた後。
「…そうだったんですか…」
ルヴィアさんは、難しい顔で何やら思案していた。
この人のことだから、嫁にどう教えたものか…そもそも教えるべきなのか…と、悩んでいるのだろう。
嫁を傷つけない為なら、自分が後ろめたい思いすることなんて、何とも思わないだろうからな。ルヴィアさんは。
それは俺も、ルヴィアさんも同じだ。
「うちの嫁は!世界一可愛いんです。一緒にしないでください」
「あ…うん…ごめん…」
今度ばかりは、ルルシーも余計な口出しはしなかった。
素直に認めておいた方が良さそう、と判断したようだ。
「…で、この人は何者なんですか?うちの嫁に髪の色だけ似てますけど」
似てるのは髪の色だけなのか。
ルヴィアさんフィルターを通した嫁の姿が見てみたいな。華弦とどれくらい違うのか。
「彼女は…箱庭帝国の秘境の里出身で…。あなたの嫁の、お姉さんだそうです」
「…へ?」
「あなたにとっては、義姉に当たる人物ですね」
「華弦と言います。妹がお世話になっているようで」
ぺこり、と頭を下げる華弦。
ルヴィアさんは、しばしぽかーんと華弦を見つめて。
それから。
「おっ…お義姉様でしたか!失礼しました。自分、ルヴィア・クランチェスカと言います」
いきなり、物凄く低姿勢になった。
襟を正し、服の裾をちょいちょい、と直して、かくん、と頭を下げた。
「手土産もなしに済みません。まさかお義姉様がいらっしゃるとは知らず…」
「いえ、気にしないでください」
「しかも、本来こちらからご挨拶に伺うべきでしたのに…。大変申し訳ない」
一生懸命好感度を上げようと頑張っていらっしゃる。
さっきまで華弦のこと、馬の骨だとか言ってなかったっけ?
それは忘れてるのかもしれない。
「それにしても、お義姉様が何故ここに…?」
と言うか、お姉さんいたのか、と思ってるだろうね。
俺達だって、シェルドニアで華弦に会わなきゃ、一生知らずにいただろう。
ルヴィアさん嫁の出身地が出身地だからな。
家族がいたとしても、多分全滅だろうと思っていた。
皮肉なことに華弦は、家族に売られたからこそ、生き延びることが出来たのだろう。
「それについては、俺達が説明しましょう。ね、ルルシー」
「あぁ…そうだな」
俺とルルシーは、シェルドニア王国での華弦との出会いについて話した。
華弦が、元々箱庭帝国の生まれだったことも。
ルヴィアさんの嫁が物心つく前に売られてしまったので、姉がいた事実はルヴィアさん嫁は知らないだろうということも。
一通り話終えた後。
「…そうだったんですか…」
ルヴィアさんは、難しい顔で何やら思案していた。
この人のことだから、嫁にどう教えたものか…そもそも教えるべきなのか…と、悩んでいるのだろう。
嫁を傷つけない為なら、自分が後ろめたい思いすることなんて、何とも思わないだろうからな。ルヴィアさんは。


