The previous night of the world revolution4~I.D.~

数時間後。

俺達はルルシー宅で、再会の祝杯をあげていた。




「んじゃー、ルレ公達の帰還を祝って…乾杯!」

「かんぱーい!」

「…ってか何で、アリューシャが音頭取ってんだ?」

ルルシー、そんなことは気にしちゃいけない。

それより、今夜は飲もう。

久々の、ルティス帝国産のワインだ。

そして食べよう。

何せ、久し振りのルルシーご飯なんだから。

「ん~…。やっぱりルルシーのご飯は最高ですね~」

帰ってきた気がするよ。ようやく。

「ルレイア、私のマッシュポテトも食べてみて」

「えぇ、勿論。…うん、美味しい。イケますよこれ」

「本当?えへへ…。嬉しい」

シュノさんも腕を上げたな。

「やっぱりルティス料理が美味しいですね」

「シェルドニアの料理って、そんなに不味いの?」

ブルスケッタを齧りながら、首を傾げるアリューシャ。

不味いって言うか…。不味くはないけど…。

「食材がゲテモノなんですよ。ミミズペーストとか…」

「キモッ!ミミズ食うの!?原始人かよ」

いや、その辺にいるミミズじゃなくて、多分食用ミミズなんだろう。

それなりに加工もされてるんだろう。

でも。

…フルーツを潰してジャムにしました、というのと…ミミズを潰してペーストにしました、の二択だったら…前者を選ばない?

「食文化の違いってことだね…。シェルドニアは色々独特な文化を持った国だからね」

洗脳システムとかね。

何もかも真っ白が好きなところとか。

全く、肌に合わない国だったよ。

「正直もう二度と行きたくないですよ。シェルドニア王国に行くくらいなら、箱庭帝国に行った方が…あ」

「…あ?」

…思い出した。

「…ルアリスに何も言ってない。帰ってきたこと」

「…言えよ」

あー、忘れてたごめんルアリス。

「ちょっと、電話してきますよ」

「早く言ってやれ」

一応、あれで心配してくれたんだろうからね。

早いところ、無事の帰還を報告してやらねば。