しばらく『白亜の塔』を堪能した後。

俺達は展望台を降りて、船内の様々なアクティビティを楽しむことにした。

「さて、まず何処に行きます?」

「ふむ…。俺はやはりカジノが気になるな。最近はめっきりやってないが、昔取った杵柄、それなりのものにはなるだろう」

ルリシヤはカジノをご希望、と。

「お前…荒稼ぎはするなよ?」

「心配するなルルシー先輩。今回の旅費を回収するだけだ」

これが本当の現地調達、ってね。

さすがルリシヤ。俺の見込んだ後輩である。

「ルルシーはどうします?」

「視聴覚ルームで映画鑑賞が出来るらしいから、行ってくるよ。暇潰しがてら」

ふむ。ルルシーは映画を観ると。

俺もそれについていっても良いのだが。

俺は俺で、他に興味のあることがある。

「ルレイアはどうするんだ?」

「俺はエステを楽しんできます。ルルシーとの夜に備えて、更なる美肌ルレイアに…」

「あーそうか、はいはい。好きなところに行ってこい」

「ルルシーのいけず~!」

でもそんなところがしゅき。

「じゃあ、ここからは別行動だな。夕食前にまた集まろうか」

「分かった」

「寂しくなったら呼んでくださいね、ルルシー」

「良いから早く行け」

いけずなんだから。

俺がいないと寂しいよーって、素直に言ってくれて良いのに。

じゃ、俺はこれから、エステを楽しんでくるとしようかな。