The previous night of the world revolution4~I.D.~

あんな木偶の坊みたいな塔にそそのかされて、良いように騙されて、あまつさえルルシーとルリシヤに剣を向けるなど。

愚の骨頂だよ。情けない。

ルレイア・ティシェリーともあろう者が。

そして、何より情けないのは…。

「とっくに克服したはずの過去を蒸し返されて…それが原因で洗脳されるなんて」

全然、克服してないじゃないか。

敵の思惑に乗せられて。馬鹿じゃないの俺。

情けないにもほどがある。

「俺は、ルレイアの皮を被ったルシファーのままってことじゃないですか。そんな滑稽な話があります?」

「…」

「本当情けない…。情けないですよ俺は」

「…お前、そんなにルシファーが嫌いか?」

「…は?」

ルシファーが嫌いかって?

「嫌いですよそりゃ」

弱かった頃の俺の代名詞じゃないか。

嫌いに決まってる。

「俺はルレイアも、ルシファーも好きだけどな。どっちでも良いよ俺は。お前が何になっても。どっちのお前も好きだからな」

「ルルシー…」

「と言うか、俺を忘れないお前なら、何でも良い」

…成程。

逆の立場だったら、確かに俺もそう思うな。

でも俺は納得出来ない。

「お前がお前の過去を克服出来ないのは、当然のことだ。ルレイアが今のルレイアなのは、ルシファーだった頃の過去があるから。ルシファーが、ルレイアを作り出したんだ。だからルシファーだった頃のことを忘れたら、ルレイアはルレイアじゃなくなるよ。きっと」

「…そうなんでしょうか?」

「そうだ。だからな、ルレイア。受け入れられない過去を、無理に克服する必要はない。出来なくても良いじゃないか」

出来なくても…。

投げ捨てたゴミ箱を空っぽに出来なくても、良い?

それでも…。

「俺達は、光の方に愛されなかった人間だ。なら、傷を舐め合って、依存し合って生きても良いじゃないか」

…成程。

それは実に…俺達らしい生き方だな。

「…実を言うとな、俺はお前のルシファーだった頃の過去に、感謝してるんだ」

「ほう?」

「そのお陰で、出会えたんだからな」

確かに。

俺があの学校で、地獄にいなかったとしたら。

俺達の道が交わることはなかっただろう。

むしろ、敵対さえしていたかもしれない。

それは…嫌だな。

「…全く、俺は何度、あなたに助けられるんでしょうね?」

「何度でも助けるよ。何度でも」

「…そうでしたね」

そう言ってくれましたね。あなたは。