The previous night of the world revolution4~I.D.~

「…さて、ルルシー…。まずはどちらから喋ります?」

「…あ?」

「あなたも言いたいことがあるんでしょう?」

「…まぁな」

だよね。

顔見たら分かるもん。

「でも、先攻はお前に譲ってやる。先に言えよ」

「ありがとうございます」

じゃあ、俺から喋ろうか。

正直、あまり気は進まない。

決して愉快な話でもない、が…。なんて切り出したものかな。

「んーと…」

「…なぁ、ルレイア」

「はい?」

「思い出したくないことを、無理に思い出す必要はないんだからな」

「…」

…ルルシーったら。

俺の考えてることはお見通しって訳か。

「もー。何でバレバレなんですか~」

「当たり前だろ。何年の付き合いだと思ってる」

何だかんだで長いよねぇ。

あっという間だった気がするけど。

「…あのねルルシー。俺、自分の過去のこと…。ルシファーだったときのこと、もうとっくに克服してるものだと思ってたんです」

「…うん」

ゴミ箱に投げ捨てて、とっくに捨てられたものだと思っていた。

そうしていた、つもりだったのに。

「でも、結局俺は臭いものに蓋をして、その上にいくつもいくつも重石を置いて、綺麗なもので飾り立てて…見えないようにしていただけなんでしょうね」

それが、よく分かった。

嫌と言うほど思い知らされたのだ。

あの忌々しい…『白亜の塔』によって。

飾り立てたものは捨てられ、重石も退けられて…蓋を開ければ、以前と変わらない汚いものが出てくる。

全く…我ながらなんと脆弱なことか。

「ざ…っこだなぁ俺。今回の事件、なんかダラダラ長かったですけど、俺何しました?余計なことしかしてないですよ。ルルシーとルリシヤの足引っ張っただけ…」

「それは違う。ルレイア、それは違うぞ。俺はお前が足を引っ張ったなんて思ってない」

きっぱりと即否定してくるルルシー。

ありがとう。気持ちは嬉しい。

でも俺自身が俺を許せない。

「いいえ、俺が悪いんですよ。洗脳なんかされる俺が悪い。思い出したくない過去があるのは、俺もルルシーもルリシヤも変わらないのに、俺だけがあんな洗脳に引っ掛かって…」

「それはお前が一番辛い過去だからだろう」

「辛さにランク付けも何もありませんよ」

「それに、アシミムは始めから、お前一人を一点狙いしてた。お前だけ、特別強い洗脳を施されてたんだ」

…それはそうだけど。

だからって、自分の愚かさを肯定することなど、とても出来そうにない。