The previous night of the world revolution4~I.D.~

「見てこれ!三人に見せてあげようと思ってな、ずっと取ってたんだぜ」

帰りの車中、「何があったの?」とか、「ヘールシュミット家の当主はどうなったの?」とかの話の前に。

まずアリューシャが、百点満点のドリルを見せてきた。

「おぉ、アリューシャ満点じゃないですか」

「凄いなアリューシャ先輩」

「へっへ~ん!だろ?」

どやぁ、と渾身のどや顔を見せるアリューシャ。

これをやりたくてずっと待っててくれたんだろうなぁ。

すると、ルルシーが。

「…おいアイズ。お前、ここ…。3×5の答え、18って書いてるのに丸してるじゃないか」

あ、本当だ。

よく見つけたねルルシー。

しかし、アイズレンシアは。

「ここは18なんだよ。アリューシャが正解なの」

「はぁ…?」

そして、アリューシャもアイズに加勢。

「そうだそうだ!こっちだって色々大変だったんだからな。ここは18で合ってんだよ!」

「…?」

よく分からないが、多分ここの答えは18で合ってるんだろう。

アイズが答え合わせしてるんだから、確実だ。

真面目なルルシーが、アシュトーリアさんに早速報告しようとした。

「いや、そんなことより…。アシュトーリアさん、今回のシェルドニアでの一件を…」

しかし。

「あら、良いわよ。報告なら後で。皆疲れてるでしょ?」

「…」

「一度本部に戻って、それから各自自宅まで送るから。ゆっくり休んでちょうだい」

アシュトーリアさんなら、そう言ってくれると思ったよ。

「無事に帰ってきてくれたんだから、それ以上大事なことなんてないわ。報告なんて、後でいくらでも出来るんだもの。…ね?ルルシー」

「…分かりました」

ルルシーは、溜め息混じりに頷いた。

アシュトーリアさんがこう言うなら、いくらルルシーが「いや、大丈夫なんで今報告します」と言っても、聞いてはくれないだろう。

疲れているのは事実だし、休ませてもらえるなら有り難い。

「それと…三人共、明日からちょっとうちの系列病院で、検査を受けてもらうことになる。一応、シェルドニア帰りだし…」

と、アイズレンシア。

若干言葉を濁してはいるが、ようは「洗脳の影響が残ってないか調べるよ」ってことだろう。

望むところだ。

特に、俺はな。

「分かりました。構いませんよ」

「宜しくね」

「…ルレイア…」

きゅっ、と俺の服の袖を掴むのは、シュノさんである。

泣き止みはしたものの、まだ目が赤い。

「大丈夫ですよシュノさん。ちゃんと帰ってきましたからね」

「うん…」

本当に心配かけたんだなぁ、と再確認。

申し訳なくなってきた。

心配をかけてしまったシュノさん達の為にも、早く…日常を取り戻さないとな。