実を言うと、俺は今夜、この為に華弦を訪ねてきたのだ。
華弦を、『青薔薇連合会』に勧誘する為に。
「あなたの実力なら、うちに来ても困らないでしょう。俺の派閥で、準幹部でもやってもらえませんかね」
「私が…?でも…私はルティス人ではありません。それに、戸籍上はまだアシミムの奴隷で…」
「それは昔の話ですよ。奴隷解放令で、今はこの国に奴隷はいない」
形の上は、だけどね。
だが、形だけでも充分だ。
華弦を、国外に連れ出すには。
「アシミムからも許可はもらってきましたよ」
「…アシミムに、話したのですか?」
「えぇ。華弦さんをくださいってね。快諾してくれましたよ」
どうせアシミムは、華弦を手離すつもりだったのだろうし。
それが華弦の為ならと、あっさり同意してくれた。
俺の頼み事の二つ目だ。
「どうです?俺としては、あなたみたいな逸材をシェルドニアなんかで腐らせたくないんですが」
「…」
「…非合法組織は、嫌いですか?」
「…いいえ」
華弦は首を振って、そして真っ直ぐに俺を見つめた。
「汚い女ですよ、私は。親友の復讐の為に、何年も腹黒い心を隠しながら主人を騙し、牙を研ぎ続けた黒い獣のような女…。そんな女を、信用してくれるのならば…」
「成程。俺は自分の親友の為なら、誰を殺そうが誰を傷つけようが、気にも留めない黒い死神ですからね。あなたのような狡猾な女は、大好物です」
そう言うと、華弦はふっと笑った。
「…気が合いそうですね、私達」
「全くです」
俺は華弦に手を差し出し、華弦はその手をしっかりと掴んだ。
元復讐者同士、上手くやっていけることだろう。
折角遥々シェルドニア王国まで来たのだから、これくらいの収穫くらいないとな。
華弦を、『青薔薇連合会』に勧誘する為に。
「あなたの実力なら、うちに来ても困らないでしょう。俺の派閥で、準幹部でもやってもらえませんかね」
「私が…?でも…私はルティス人ではありません。それに、戸籍上はまだアシミムの奴隷で…」
「それは昔の話ですよ。奴隷解放令で、今はこの国に奴隷はいない」
形の上は、だけどね。
だが、形だけでも充分だ。
華弦を、国外に連れ出すには。
「アシミムからも許可はもらってきましたよ」
「…アシミムに、話したのですか?」
「えぇ。華弦さんをくださいってね。快諾してくれましたよ」
どうせアシミムは、華弦を手離すつもりだったのだろうし。
それが華弦の為ならと、あっさり同意してくれた。
俺の頼み事の二つ目だ。
「どうです?俺としては、あなたみたいな逸材をシェルドニアなんかで腐らせたくないんですが」
「…」
「…非合法組織は、嫌いですか?」
「…いいえ」
華弦は首を振って、そして真っ直ぐに俺を見つめた。
「汚い女ですよ、私は。親友の復讐の為に、何年も腹黒い心を隠しながら主人を騙し、牙を研ぎ続けた黒い獣のような女…。そんな女を、信用してくれるのならば…」
「成程。俺は自分の親友の為なら、誰を殺そうが誰を傷つけようが、気にも留めない黒い死神ですからね。あなたのような狡猾な女は、大好物です」
そう言うと、華弦はふっと笑った。
「…気が合いそうですね、私達」
「全くです」
俺は華弦に手を差し出し、華弦はその手をしっかりと掴んだ。
元復讐者同士、上手くやっていけることだろう。
折角遥々シェルドニア王国まで来たのだから、これくらいの収穫くらいないとな。


