The previous night of the world revolution4~I.D.~

数時間後。

地下室を出たラトヴィは、何年かぶりに外の世界に触れた。

きっと感慨深かったことだろう。

解放の感動も冷めやらぬ中、俺達はラトヴィを連れて、ヘールシュミット邸に戻った。

ラトヴィを見たときのアシミムの顔は、そりゃあもう滑稽そのものだった。

思わず笑いそうになってしまったくらい。

「あぁ…!ラトヴィ!良かった!」

「姉上…!」

二人は涙ながらに抱き合い、再会を喜び合った。

アシミムなんて、握り締めた紙かってくらい顔をくしゃくしゃにしていて、そりゃあみっともなかった。

「ねぇルルシー。おばさんの泣き顔って、何であんなに不細工なんでしょうね?」

「ルレイア…。お前な、水を差すな、水を」

だって。あまりに不細工で。

どうしても突っ込まずにはいられなかった。

それに。

俺達はこれから起きる顛末を知っている。

「ラトヴィ…。本当に、無事で良かったですわ。きっと疲れているでしょう。しばらくはゆっくり休むと良いですわ」

アシミムは何も知らずに、にこにことそう言った。

そして。

「華弦。ラトヴィを部屋に連れていってくださいな。この子の部屋は、そのままにしてありますの」

…あーあ。

今すぐ、全力でラトヴィをここから逃がしていれば。

まだワンチャンあったかもしれないのに。

自ら、弟を断罪人の前に突き出すとは。

華弦の目は、復讐者のそれだった。

ここからは、華弦のターンだな。