The previous night of the world revolution4~I.D.~

「何ですかあなたは…。誰なんです?」

「ルレイア…。俺達、侵入者だからな?何でそんなに上から目線なんだ?」

誰だお前は、と聞きたいのはラトヴィの方だろうな。

知ったことか。

「あなたヘールシュミット家の、ラトヴィですか?」

「え?あ、あぁ…」

ラトヴィらしい。

「へぇ、ラトヴィ…。紛らわしいんですけど。アシミムの弟なら縦ロールにしといてくださいよ。何ですかそのみっともない頭」

「こらっ!ルレイア。失礼だろ」

いいもーん。どうせこの後華弦に殺されるんだし。

大体、俺はラトヴィを助けに来てやったんだから。

感謝されてしかるべき立場だもんね。

「死んだのかと思ってたら…普通に生きてましたね」

長きに渡る監禁生活のせいか、元気もりもり…って訳ではなさそうだが。

どうやら、乱暴に扱われていた様子はない。

ちょっとやつれているだけで、あとは元気そうだ。

見たところ、この監禁部屋も…ヘールシュミット家の地下監禁室と比べると、かなり快適そうだ。

ベッドとソファとテーブル、小さなテレビもある。

さすがにパソコンや携帯など、外部と連絡を取れる機械はないようだが。

室内にはバスルームも完備されていて、住むには事欠かなそうだ。

常に外側から鍵をかけられていることを除けば、ちょっとしたホテルって感じだな。

案外快適に生きてたんじゃないか。

ミレドも鬼ではなかったということだな。

「お、お前達は…一体何者なんだ?何でここに…」

「アシミム。あなたのお姉さんに頼まれて、あなたを助けに来ました」

「…!姉上に…?」

「そんな訳なので、あなたの監禁生活は今日で終わりです。お疲れ様でした」

「…!!」

ラトヴィの、この感極まった顔。

おめでとう。何年かぶりに日の光を見られるよ。

まぁ、その後に華弦に殺されると思うけど。

そういう意味では、解放されずにこのまま監禁されていた方が、ラトヴィにとっては幸せだったのかもしれない。

地下室で野垂れ死ぬのではなく、一度日の光を見て死ねるのだから、幸せだと思ってくれ。

どちらにしてもこいつは、生まれたときから善行しか積んでない俺と違って、悪さばかりしてきたのだから。

安楽な死など、こいつを憎む全ての人間が許さないだろう。