The previous night of the world revolution4~I.D.~

…正直なところ、俺が正気に戻った今、ミレド王を殺すのはそれほど面倒ではない。

俺と、ルルシーと、ルリシヤが三人揃えば、シェルドニア王国の自堕落な国王一人を殺すくらい、なんということはないのだ。

そもそもこの国の人間は、基本的に、危機感というものがない。

それも当然だろう。『白亜の塔』のお陰で、この国は犯罪発生率が驚くほど低く、国民性も穏やかそのもの。

殺人事件なんて起きようものなら、地震か津波でも来たのかというくらい大騒ぎするくらいなのだから。

良くも悪くも平和しか知らないこの国の人間は、洗脳されていない上流階級や国王も含めて、危機感が欠如していた。

犯罪が少ないのが、逆に仇になった訳だ。

おまけに、国民は皆洗脳されているものだから、自分が襲われることになるかもしれない、なんて考えもしない。

王宮の警備も、ルティス帝国のそれと比べたら遥かに杜撰で、しかし平和なシェルドニアでは、いくら杜撰でも何の問題もないので、そのまま穴だらけの警備を続けて、平気な顔をしていた。

今までは、それでも良かっただろう。

でも、俺達の手にかかれば。

こんな杜撰で穴だらけな警備は、警備のうちにも入らなかった。

俺達は夜間、こっそり三人で王宮に忍び込んだ。

思っていたよりも、ずっと簡単だった。

警備兵は、あくびをしながら呑気に巡回しているだけ。

どうせ何も起こるはずはない、と信じきっているのがすぐに分かった。

成程、ならばその油断を逆手に取らせてもらう。

俺達は王宮を奇襲し、一気にミレド王の首を獲った。

ミレド王を死体にするなり、俺達は捕まる前にすぐに撤退した。

最後まで、王宮の警備兵達は、どうして良いのか分からずにおたおたしているだけだった。

これなら、箱庭帝国の『青薔薇委員会』本部に侵入する方が、まだ大変だろう。

どうせ何も起こるはずがない、と誰もが思っていた。

だから、訓練の一つもまともにやっていなかったのだろう。

あっさりと殺されたミレド王は気の毒だが、恨むなら、『白亜の塔』なんてものに頼った自分を恨んでくれ。

自業自得というのだ。こういうのをな。

こうして、一夜のうちにシェルドニア王国、国王ミレド・トレギアスはあっさりと亡くなった。





そして、その翌日。