「…『青薔薇連合会』?何ですの?それは」
彼女は始め、その組織のことを知らなかった。
俺ですら、調べるまでは分からなかった。
「ルティス帝国のマフィアだそうです。そこの幹部をシェルドニアに連れてきて洗脳すれば、役に立ってくれるでしょう」
「マフィア…?ルティス帝国の?何だか、信用なりませんわね」
シェルドニア王国には、裏社会というものがない。
マフィアの類もいないので、余計胡散臭く聞こえたのだろう。
俺自身もそうだった。
国の中にマフィアがいるなど、野蛮な国である証拠だ。そう思っていた。
だが、こちらが利用するとなると、話は別だ。
「ルティス帝国と言えば、帝国騎士団でしょう。マフィアなんかに使えそうな人物がいますの?」
「はい。『青薔薇連合会』の幹部…ルレイア・ティシェリーという男です」
「ふぅん…。あなたがわざわざ推薦するということは、きっと強いのでしょうね」
「そのようです。『青薔薇連合会』でも一、二を争う実力者で、帝国騎士団にもコネがあるとか…」
「へぇ…。なら、その男を連れてきましょう」
「ただし、この男を一人で連れてくるのは、得策ではないかと」
「?」
ルレイア・ティシェリーという人物を調べてみて、分かったことがある。
この男の名前が出てきたら、いつでももう一人、セットでついてくる名前があるのだ。
ルルシー・エンタルーシアという名前が。
このルルシーという男は何者なのかと、調べてみたところ…同じく『青薔薇連合会』の幹部なのだということが分かった。
そして、ルレイア・ティシェリーにとっては一番の相棒だと。
二人は結婚した夫婦なのだとか、ルレイアからルルシーを引き離すと、ルレイアが死神と化すとか、ルルシーを傷つけると翌日の朝日は拝めないとか、本当なのか嘘なのか分からない、眉唾な情報も流れていた。
さすがに誇張が過ぎると思ったが、とにかくルレイアにとって、ルルシーが大事な人物であることには変わりない。
「ルルシー・エンタルーシアという人物も、一緒に連れてきましょう。上手く行けば二人共洗脳して使えるでしょうし…。ルレイアのポテンシャルを最大限引き出すには、ルルシーが傍にいた方が良い」
いざとなればルルシーを人質に、ルレイアを動かすことも出来るだろう。
俺は腹の中でそんな悪どい企みを抱いていた。
「そう…分かりましたわ。なら、あくまで本命はルレイアということにして、保険の為にもルルシーを連れてきましょう」
「はい…。俺がルティス帝国に赴いて、手配してきます」
「お願いしますわね、ルシード。あなただけが頼りですわ」
自分のやろうとしていることが、いかに非人道的であるかは理解していた。
それでも、笑顔でアシミムさんにそう言われ…無邪気に喜んでしまう自分がいた。
彼女は始め、その組織のことを知らなかった。
俺ですら、調べるまでは分からなかった。
「ルティス帝国のマフィアだそうです。そこの幹部をシェルドニアに連れてきて洗脳すれば、役に立ってくれるでしょう」
「マフィア…?ルティス帝国の?何だか、信用なりませんわね」
シェルドニア王国には、裏社会というものがない。
マフィアの類もいないので、余計胡散臭く聞こえたのだろう。
俺自身もそうだった。
国の中にマフィアがいるなど、野蛮な国である証拠だ。そう思っていた。
だが、こちらが利用するとなると、話は別だ。
「ルティス帝国と言えば、帝国騎士団でしょう。マフィアなんかに使えそうな人物がいますの?」
「はい。『青薔薇連合会』の幹部…ルレイア・ティシェリーという男です」
「ふぅん…。あなたがわざわざ推薦するということは、きっと強いのでしょうね」
「そのようです。『青薔薇連合会』でも一、二を争う実力者で、帝国騎士団にもコネがあるとか…」
「へぇ…。なら、その男を連れてきましょう」
「ただし、この男を一人で連れてくるのは、得策ではないかと」
「?」
ルレイア・ティシェリーという人物を調べてみて、分かったことがある。
この男の名前が出てきたら、いつでももう一人、セットでついてくる名前があるのだ。
ルルシー・エンタルーシアという名前が。
このルルシーという男は何者なのかと、調べてみたところ…同じく『青薔薇連合会』の幹部なのだということが分かった。
そして、ルレイア・ティシェリーにとっては一番の相棒だと。
二人は結婚した夫婦なのだとか、ルレイアからルルシーを引き離すと、ルレイアが死神と化すとか、ルルシーを傷つけると翌日の朝日は拝めないとか、本当なのか嘘なのか分からない、眉唾な情報も流れていた。
さすがに誇張が過ぎると思ったが、とにかくルレイアにとって、ルルシーが大事な人物であることには変わりない。
「ルルシー・エンタルーシアという人物も、一緒に連れてきましょう。上手く行けば二人共洗脳して使えるでしょうし…。ルレイアのポテンシャルを最大限引き出すには、ルルシーが傍にいた方が良い」
いざとなればルルシーを人質に、ルレイアを動かすことも出来るだろう。
俺は腹の中でそんな悪どい企みを抱いていた。
「そう…分かりましたわ。なら、あくまで本命はルレイアということにして、保険の為にもルルシーを連れてきましょう」
「はい…。俺がルティス帝国に赴いて、手配してきます」
「お願いしますわね、ルシード。あなただけが頼りですわ」
自分のやろうとしていることが、いかに非人道的であるかは理解していた。
それでも、笑顔でアシミムさんにそう言われ…無邪気に喜んでしまう自分がいた。


