The previous night of the world revolution4~I.D.~

前の主人の家で過ごした辛い日々は、忘れようと思っても忘れられない。

あのとき、俺はまだ小さな子供だった。

五歳にもなっていなかった。

それなのに、既に働かされていた。

働きもしない奴隷に食わせるものなどない、と…主人はよく言っていた。

理屈は分かるが、四、五歳の子供まで労働力に加えるとは。

働かなくては鞭で打たれるのだから、俺は必死だった。

主人の見栄の為に、家の中をピカピカに磨き上げ、庭の手入れをした。

一日と一日の切れ目が分からないくらい、毎日仕事漬けだった。

奴隷達は、一日の休みもなく毎日遅くまで働いた。

しかし主人にとって、それは何も特別なことではない。

奴隷のいう生き物は、毎日限界まで酷使するのが当たり前だと思っているのだから。

それだけ働かせるのに、仕事を終えた俺達に待っているのは、粗末な食事と、粗末な寝床だけ。

当然、過酷な労働に耐えかねて、病気になる者もいた。

あまりの疲労に、朝、ベッドから起き上がれなくなる者も。

けれど、体調が悪いからといって、休みをくれる主人ではなかった。

働けないのなら死ね、と本気で言っていた人だ。

ベッドから起き上がるまで鞭で打ち、それでも起き上がれなかったら、死ぬまで鞭で打った。

それが、俺達の日常だった。

思い出したくもない、地獄の日々。




…しかし、そんな日々は…長く続かなかった。