夕食は、広い食堂でビュッフェを堪能した。
「ん~。うまうま~」
「さすが王国一の豪華客船。料理も絶品だな」
ワインも美味しい。お酒が進むな。
ルリシヤももりもり飲んでいた。
しかし、ルルシーは。
「…」
「どうしたルルシー先輩。あまり食が進んでないな」
「…この後迎える夜が心配過ぎて、食べる気がしねぇよ…」
あらルルシーったら。心配性。
まぁでも仕方ないよね。乙女の初夜だもの。
「大丈夫ですよルルシー。俺、処女の扱いにも慣れてるので。初めてでも最高に気持ち良くさせてあげます」
「さすがだなルレイア先輩。その道においてはプロだ」
えへんっ。
スーパーテクニシャンな俺に身体を預けておけば、何の心配もないというのに。
ルルシーは、深々と溜め息をついて、
「…泳いで帰ろうかな…ルティス帝国に…」
なんて、遠い目で呟いていた。
もールルシーったら~。シャイなんだから。
「それにしても、さっきから不思議な音楽が流れてるな」
ルリシヤは、俺が気になっていたことを代わりに言ってくれた。
「あぁ、俺も気になってたんですよ。ルティス帝国じゃ聞いたことないですよね」
食堂には、ややゆったりとした曲調の、独特なメロディのBGMが流れていた。
「シェルドニアの民族音楽ってところじゃないか?」
「かもしれないですね。さすがに向こうの音楽は、俺も聞いたことないですし」
俺にはこの曲の良し悪しは、よく分からないが。
これがシェルドニア王国伝統の音楽なのだと言われれば、あらそう、としか言えない。
あまり趣味が良いとは言えないな。
でも。
「料理の方は美味しいですよね。シェルドニア料理」
「あぁ、そうだな」
こればかりは、箱庭帝国とは大違いだ。
あそこの料理は不味くて食べられたものじゃないが、シェルドニア料理はなかなか美味しい。
「そうだ、ルレイア先輩。さっきそこに書いてあったんだが、シェルドニア古酒とやらが料理によく合って、美味いらしいぞ。折角だから飲んでみないか?」
「おっ、良いですね~。実は俺も気になってたんですよ」
シェルドニア名物、シェルドニア古酒。
これは是非とも堪能しなければ損だろう。
「ちょっと探してきましょうか。確かあっちの方に…」
「あっ、ルレイア、後ろ…!」
後ろ?
ルルシーに喚起されて、足を止める間もなく。
俺は、シェルドニア古酒を取りに行く為に振り向いた拍子に、ドンッ、と誰かにぶつかってしまった。
「ん~。うまうま~」
「さすが王国一の豪華客船。料理も絶品だな」
ワインも美味しい。お酒が進むな。
ルリシヤももりもり飲んでいた。
しかし、ルルシーは。
「…」
「どうしたルルシー先輩。あまり食が進んでないな」
「…この後迎える夜が心配過ぎて、食べる気がしねぇよ…」
あらルルシーったら。心配性。
まぁでも仕方ないよね。乙女の初夜だもの。
「大丈夫ですよルルシー。俺、処女の扱いにも慣れてるので。初めてでも最高に気持ち良くさせてあげます」
「さすがだなルレイア先輩。その道においてはプロだ」
えへんっ。
スーパーテクニシャンな俺に身体を預けておけば、何の心配もないというのに。
ルルシーは、深々と溜め息をついて、
「…泳いで帰ろうかな…ルティス帝国に…」
なんて、遠い目で呟いていた。
もールルシーったら~。シャイなんだから。
「それにしても、さっきから不思議な音楽が流れてるな」
ルリシヤは、俺が気になっていたことを代わりに言ってくれた。
「あぁ、俺も気になってたんですよ。ルティス帝国じゃ聞いたことないですよね」
食堂には、ややゆったりとした曲調の、独特なメロディのBGMが流れていた。
「シェルドニアの民族音楽ってところじゃないか?」
「かもしれないですね。さすがに向こうの音楽は、俺も聞いたことないですし」
俺にはこの曲の良し悪しは、よく分からないが。
これがシェルドニア王国伝統の音楽なのだと言われれば、あらそう、としか言えない。
あまり趣味が良いとは言えないな。
でも。
「料理の方は美味しいですよね。シェルドニア料理」
「あぁ、そうだな」
こればかりは、箱庭帝国とは大違いだ。
あそこの料理は不味くて食べられたものじゃないが、シェルドニア料理はなかなか美味しい。
「そうだ、ルレイア先輩。さっきそこに書いてあったんだが、シェルドニア古酒とやらが料理によく合って、美味いらしいぞ。折角だから飲んでみないか?」
「おっ、良いですね~。実は俺も気になってたんですよ」
シェルドニア名物、シェルドニア古酒。
これは是非とも堪能しなければ損だろう。
「ちょっと探してきましょうか。確かあっちの方に…」
「あっ、ルレイア、後ろ…!」
後ろ?
ルルシーに喚起されて、足を止める間もなく。
俺は、シェルドニア古酒を取りに行く為に振り向いた拍子に、ドンッ、と誰かにぶつかってしまった。


