The previous night of the world revolution4~I.D.~

用意された客室に辿り着いた俺達は、早速部屋に入ってみた。

「おぉ~…広い!快適ですね~!」

「あぁ…さすがスイートルームだな」

俺は、早速ベッドに寝そべってみた。

わぁい、ふかふか。

「こんなベッドで眠れるなんて~。夜が楽しみですね~」

「…なぁ、ルレイア」

「はい?」

「素朴な疑問なんだが…何でベッドが一つしかないんだ?」

うん?

ルルシーったら、何を当たり前のことを。

「これダブルベッドですよ、ルルシー」

「…まさか…とは思うが」

「はい?」

「…二人で一緒のベッドに寝るとか、言わないよな?」

「いや~んルルシーったら。新婚夫婦のお部屋なんだから、ベッドを共にするのは当然じゃないですか。ルルシーのあ~んなとこや、そ~んなとこをたっぷりと触りまくって…」

「…ルリシヤ!先輩命令だ。今夜、俺と部屋替わってくれ」

「ちょっとルルシぃぃぃ!何処行くんですか」

お隣のルリシヤの部屋に行こうとするルルシーを、俺は羽交い締めにして止めた。

ルルシー、あなたのお部屋はここだから。

そっちはルリシヤの部屋だから。

「俺と一緒に寝ましょうよ~ルルシー!」

「嫌に決まってるだろ!何が嬉しくてお前と同じベッドで寝なきゃならんのだ!俺はルリシヤの部屋に行く!離せ!」

「俺も嫌ですぅ~!ルルシーと一緒が良い!」

などと、部屋の入り口付近で揉めていると。

騒ぎを聞き付けたルリシヤが、ひょこっと顔を出した。

「どうしたんだ二人共、騒がしいな。早速夫婦喧嘩か?」

「夫婦じゃねぇ。ルリシヤ、今晩お前の部屋に泊めてくれ」

「泊めてくれって…。俺の部屋もダブルベッドだぞ?」

そうそう。ルリシヤと並んで寝なきゃならなくなるよ。

ツインじゃないんだから。

しかし。

「別に良い。ルレイアじゃなきゃ誰が隣でも良いから、お前の部屋で寝させてくれ」

「嫌ぁぁぁぁ!ルルシぃぃぃ!」

新婚旅行なのに!夫婦が別々の部屋に寝るなんて、そんなことアリ?

すると、ルリシヤは。

「悪いなルルシー先輩。俺は愛用の等身大ベーシュちゃん抱き枕と寝るから、ルルシー先輩の入り込む隙はないんだ」

「ナイスルリシヤ!あなた最高の後輩ですよ!」

「照れるな。ありがとう」

「ぐぬっ…。なんてものを持ってきてるんだお前…」

ベーシュちゃん抱き枕良いよね。

あれがルルシー抱き枕だったら、俺は在庫ごと買い占めるよ。

「なら床で良い。床で良いから、ルレイアと寝るのだけは勘弁…」

「はいはいルルシー様一名ごあんな~い。俺と同じベッドで寝ましょうね~」

「ばっ、嫌だって言ってるだろ!何が嬉しくてお前と同じベッドに…離せ!」

「諦めろルルシー先輩。筋肉痛になったときの為に、湿布は用意しておいてやるから」

「洒落になってねぇぞ!離せルレイア!」

「今夜は楽しみましょうねルルシー。朝まで寝かせませんよ…?」

「助けろルリシヤぁぁぁっ!」

ずるずるずる、とルルシーを引き摺り。

俺は、自分の部屋にルルシーを連れ帰ったのであった。

うふふ。