「…」

「…」

「…」

「…成程」

それは…もう何の心配もないな。

「…マニキュア、やっぱりベーシュちゃんカラーに塗り直してくるよ」

「おー…。行ってこい」

もう会議終わり、とばかりに立ち上がるオルタンスを見送る。

「…普段の仕事に戻るよ」

ルシェもまた、ホッとしたような顔で席を立つ。

リーヴァも、苦笑していたが、先程までの緊張した危機感は消えていた。

…全く。

そういうことは、最初に言えよな。

余計な心配しただろ。

「え、ちょ…皆さん?」

ルーシッドが、おろおろとオルタンス達を止めようとした。

この危機的な状況なのに、何でもう解散なんだ、と言いたいのだろうが…。

お前も、そろそろ気づけ。

「あいつが、大丈夫だって言うんなら…何の心配もねぇよ」

ミレド王も、気の毒に。

世界で一番敵に回したくない男を、敵に回してしまったのだから。